ダニエル書2章

2章 王の夢と解き明かし

おはようございます。ネブカドネツァルの見た夢を言い当て、解き明かす、無理難題。しかし、神の助けによって動ぜずに対応するダニエルに教えられるところです。今日も、主の恵みを信頼し、支えられる豊かな一日であるように祈ります。主の平安

1.ネブカドネツァルの夢

ネブカドネツァル王の統治期間は、BC605~562年です。その治世の第二年目のこと(BC604)、王は、繰り返し不可解な夢を見ました。王は、呪法師、呪文師、またカルデア人(「占星師」「学者」)を集めて夢の解き明かしを求めます。そしてただ夢を解き明かすのではなく、見た夢を言い当てるように求めるのです。これは至極難題です。実際、誰一人、そのような要求に応じることのできる者はいませんでした。国中の知者たちがすべて滅ぼされようとする(12節)危機的状況の中にダニエルが登場します(14節)。20-22節は、ヘブル詩独特の形式、交差配列法が使われています。つまり、詩人の一番言いたいことが、詩の真ん中(21、22節)に来る構成法です。そこでダニエルは、ヨセフのごとく、「私ではなく、神が」(創世記41:16)その夢をネブカドネツァルに示し、その夢の秘密を私に明かしてくれた」と強調しているのです。

2.神の計画

実際その夢は、ネブカドネツァル以降の王国の盛衰を語り、やがてそれらのすべてが打ち壊され、聖なる神の御国にとって代えられる、という壮大な神のご計画を語るものでした。純金の頭は、バビロンを象徴(37、38節)、銀の胸と両腕は、バビロンを滅ぼすメド・ペルシヤ帝国を象徴しました(5:28、31)。そして、青銅の腹とももに象徴され、「全地を治めるようになる」国はギリシアです(2:39、8:21)。BC 334年の初め、アレクサンダー大王の勢力は、東方のインド西部にまで及ぶ広大なものでした。しかし支配期間が短かかったので、政治的影響力はペルシャに劣ったのです。「鉄のように強い国」はローマ帝国を意味しました。事実、ローマ帝国は、エジプト、シリア、マケドニヤを一つの国に融合しようと試みましたが、それは粘土と鉄を混ぜるようなものでした(41-43節)。AD 395年、ローマ帝国は東西に分裂し、東側は約1000年に渡る中世の歴史を築きますが、西側は100年も持たず、AD 476年ゲルマン民族に滅ぼされていきます。人手によらずに切り出された一つの石は、イエス・キリストの再臨とその統治を意味します(詩篇2:9)。この地上の帝国主義体制が打ち壊され(46節)、全く新しい神の王国が樹立されるのです。

この神のご計画については、さらに7章においては四つの獣のたとえ、8章では、雄羊と雄やぎのたとえ、9章に70週、11章に北方の王と南方の王の戦いとして繰り返し語られます。大切なのは、今の地上の王国がすべてではなく、これはやがて、人手によらずに切り出された一つの石、つまりイエスの支配で永遠に消滅してしまう、ということです。確かに2000年前のイエスの十字架の死と復活は、私たちに神の御国の希望を与えました。

ただ本章が私たちに語り掛けることは、ダニエルのように、神の主権と支配に目を開いて生きるなら、どんな難題にも動じることはない、ということです。主に心を向けましょう。

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