エズラ記4章

4章 再建の妨害者たち

<要約>

おはようございます。キリスト者の人生には、神の御心と思われることがなぜに、すっきり進んでいかないのか。なぜ躓いてばかりなのか、と思われることがあるものでしょう。今の罪の世にあっては、悪の力も働くというべきでしょう。ですから信仰を失わず、しっかりと主の使命に立って歩むことが大切です。今日も、主の恵みを信頼し、支えられる豊かな一日であるように祈ります。主の平安

  1. 妨害活動と、その理由

神が与えてくださる未来の祝福に喜びを覚えたのも束の間、神殿再建工事は、種々の妨害活動によって、中止に追い込まれていく。4章は、キュロス王からダレイオス王時代に渡る、約16年間の嫌がらせと妨害により、結局、神殿再建工事がとん挫してしまった記録である。神のみこころの再建であり、神の導きによるものであるはずなのに、どうしてこのようなことが起こるのか?結局神のみこころではなかったのではないか?そのように思われてしまうことではないか。このような問題をどのように考えたらよいのか。

まずキュロス王時代の話(1-5節)。反対者たちは、北イスラエルがアッシリヤに滅ぼされた際に、他の地域から移住させられた人々の子孫であった。彼らは、初め協力を申し出て来ている(2節)。しかも、彼らはイスラエルの神を受け入れ、いけにえをもささげ、イスラエル人たちに同調しようとしている。しかし、イスラエルの指導者たちはそっけない断り方をした。それは、反対者たちが基本的に多神教的な信仰を持っていたからである。神殿の再建は、単に建物を建てあげる話ではなく、天地創造の唯一まことの神を信じる者の信仰共同体の再建であった。だから、どれほどイスラエルの信仰を理解し、宗教的な寛容さに生きる人々とはいえ、その信仰に立つのでなければ、一緒にはできない、という相談なのである。信仰は価値の共有である。

2.妨害による工事の中断

そこで断られた彼らは、脅しに出た(4節)。暴力を働き、高官を買収し、計画を中断させようとした(5節)。そしてついに、キュロスからダレイオスの時代まで約16年間工事は中断することになる。実に長い月日である。帰還民を志願して、帰って来たものの、不毛な16年が過ぎていく。さぞ無念な思いもあったことだろう。しかし、神が目的とすることが妨げられ続けることはない。神の計画は必ず時至れば、実現する。妨害や困難に弱り果ててはいけないことを私たちは学ばなくてはならない。

3.執拗な、さらなる妨害

6節以降は、クセルクセス王(6節)とアルタクセルクセス王(7-23節)、それぞれ別の時代の妨害が記録されている。しかもこの後の5、6章にはダレイオス王が登場し、7章で再びアルタクセルクセス王の出来事が描かれる。つまり順序を整理すると、

1)キュロスからダレイオス王の時代の出来事(4:1-6、24節、5-6章)

2)クセルクセス王の時代の出来事(4:6)

3)アルタクセルクセスの時代の出来事(4:7-23、7章以降)

となる。アルタクセルクセスはエステルを王妃とした人物であるから、4章の6節と7節の間にエステル記に書かれている内容が起こったことになる。そして、エズラやネヘミヤはアルタクセルクセスの時代の人であるから、7~23節の妨害は、神殿再建ではなく、ネヘミヤ1:3に記録された神殿再建後の城壁や町の再建での妨害について語っている。そのような意味で、4章は記述が前後し入り組んだ形になっていて、かなり年代的に幅のある時代のことを書いていると考えてよい。

4.神は誠実である

ともあれ、敵対者たちは、様々な形でエルサレムの町の再建を妨害した。つまり神のみこころとするエルサレム再建はそんなに容易く進まなかった、ということである。敵対者たちは、アルタクセルクセスに書状を書き送り、武力をもって働きを中止させることにも成功している。何とも口惜しいことであるが、神のみこころとされることが、寄ってたかって潰されることはありうることなのだ。人生には不可解なことは起こりうる。しかし、だからといってそのような試練に弱り果ててはならない。サウルに苦しめられたダビデ王然り、サタンに弄ばれたヨブ然り、アタルヤの陰謀に踏みにじられた、南ユダの時代然りである。ただ、神は私たちに忠実である。罪の世にあって、私たち自身が踏みにじられそうになることはあるものだろう。だが、ペテロのことばを確信とすべきである「身を慎み、目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、吼えたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています。堅く信仰に立って、この悪魔に対抗しなさい。ご存じのように、世界中で、あなたがたの兄弟たちが同じ苦難を通ってきているのです。(1ペテロ5:8、9)」そして、不可能と思われることがあっても、神がみこころとされることに勇気と信仰をもって取り組み続けたいところだ。

 

<参考年表>

538年 第1回帰還

537年 祭壇を築く.全焼のいけにえ(エズラ3:1-2)

536年 神殿工事着工(エズラ3:8)、16年間中断

520年 神殿工事再開(エズラ4:24,ハガ1:15,2:18)

516/5年  神殿完成(エズラ6:15)

483年  ワシュティ廃位.クセルクセスの3年(エス1:3)

479/8年 エステル、王妃になる

458年  エズラの帰還(エズラ7:1,8-9)

445年  ネヘミヤの帰還(ネヘ2:1,6,11)