1．祭司への任職（8:1-5）
祭司への任職（8:1-5） これまで、レビ記ではささげ物について語られてきましたが、8章から10章までは、それを実際に神に献げる祭司について述べられています。モーセは全会衆を会見の天幕の入り口に集めるように命じました。何百万もの会衆を幕屋の入り口に集めることは現実的には難しいかもしれませんが、任命された代表者が集められた可能性があります。また、この儀式は七日間続いたので、全会衆が順番にやってきたと考えられます。いずれにせよ、今日、神を信じる者は皆祭司とされているため、この箇所は私たちにも重要な真理を伝えています。
2．任職の儀式（8:8-29）
祭司への任職の儀式はまず「水の洗い」から始まりました（6節）。その後、祭司にふさわしい装束が着せられました（7-13節）。長服、飾り帯、青服、エポデ、胸当て、ウリムとトンミム（神託用のサイコロのようなもの）、かぶり物、金の札がその装束です（7-9節）。次に、聖別のための油注ぎが行われ（10-12節）、ささげ物が献げられます。罪のきよめのささげ物（14-17節）、全焼のささげ物（18-21節）、任職のためのささげ物（22-29節）です。最後に再び油注ぎの儀式が行われます。この内容は出エジプト記に記されたことの繰り返しです（28:4、29:4-7、19-28）。
3．任職の儀式の今日的な意義
儀式の各要素は、今日のキリスト者にとって象徴的な意味を持ちます。
水の洗い: 今日的には、水と御霊のバプテスマ（洗礼）の象徴です。使徒パウロは「主イエス・キリストの御名と私たちの神の御霊によって、あなたがたは洗われ、聖なる者とされ、義と認められたのです」（１コリント6:11）と語りました。
装束: 霊的な武具を身に着けることに相当します。使徒パウロは「腰には真理の帯を締め、胸には正義の胸当てを着け、足には平和の福音の備えをはきなさい。これらすべての上に、信仰の盾を取りなさい。それによって、悪い者が放つ火矢をすべて消すことができます。救いのかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち神のことばを取りなさい」（エペソ6:14-17）と語っています。
油注ぎ: 聖霊が与えられることです（使徒1:8）。パウロは、自身が「神の福音のために選び出され」（ローマ1:1）たと言いますが、私たちも同じです。そして、この務めは聖霊の助けによってなされるのです。
ささげ物: 特に任職のためのささげ物は、罪のきよめのささげ物や全焼のささげ物とは異なる手順があります。雄羊の血を祭司の右の耳たぶ、右手の親指、右足の親指に塗ることで、神の言葉を聞き、神の奉仕に携わり、主の庭を歩くために聖別され、新しくされたことを意味します。ペテロは「ご存知のように、あなたがたが先祖伝来のむなしい生き方から贖い出されたのは、銀や金のような朽ちる物ではなく、傷もなく汚れもない子羊のようなキリストの、尊い血によったのです」（１ペテロ1:18,19）と語っています。
任職後のこと（8:33-36） 任職後、祭司たちは七日間会見の天幕から出てはならないとされています。それは、彼らが世の活動から分離し、神にお仕えすることに専心するためです（33節）。その間、毎日ささげ物を献げ、自分たちのために宥めを行います。この期間は、主の重要な職務のために自らを吟味し、罪を告白し、悔い改め、聖別し、整える時でした。主の使命をよく理解し、自分の人生の在り方を再構成するために、わたしたちにも同じような時が必要です。
4．任職後のこと（8:33-36）
任職後、祭司たちは七日間会見の天幕から出てはならないとされています。それは、彼らが世の活動から分離し、神にお仕えすることに専心するためです（33節）。その間、毎日ささげ物を献げ、自分たちのために宥めを行います。この期間は、主の重要な職務のために自らを吟味し、罪を告白し、悔い改め、聖別し、整える時でした。主の使命をよく理解し、自分の人生の在り方を再構成するために、わたしたちにも同じような時が必要です。
彼らはかつて奴隷として虐げられる生活を送っていましたが、もはやそうではありません（エゼキエル16:7）。彼らは独立し、自分たちのために祭司を立て、装束を着せ、神を礼拝する民としての歩みを始めました。神を礼拝し、人を愛し、人々に平和を告げ知らせる歩みを始めたのです。この変化の大きさと、それをもたらした神の恵みに感謝することは想像に難くありません。
キリスト者も、ただ罪の滅びから救われたのではありません。主の祭司として神に選び分かたれ、周囲の人々に神の平和と祝福をもたらす者として立てられているのです。イエスも、すべての人に福音を宣べ伝えるように命じておられます（マタイ28:19）。神と人との間の橋渡しとなる聖なる任務に与っていることの大きな恵みを覚え、感謝しつつ歩みましょう。
では、また明日、この場でお会いしましょう。神の祝福がありますように。
Leviticus Chapter 8: The Ordination of Priests
- The Ordination of Priests (8:1-5) Previously, we discussed offerings. From Chapter 8 to 10, we will talk about the priests who offer these sacrifices to God. Moses commanded the entire assembly to gather at the entrance of the Tent of Meeting. Though gathering millions at the entrance might seem impossible, it’s believed that appointed representatives gathered, and the ceremony lasted seven days, with people coming in turns. Today, all believers in God are considered priests, making this passage significant for us.
- The Ordination Ceremony (8:8-29) The ordination ceremony for priests began with washing with water (v. 6). Then, the priests were dressed in appropriate garments: a long robe, sash, ephod, breastplate, Urim and Thummim (tools for divine decision-making), headpiece, and golden plate (v. 7-9). Next, anointing with oil for sanctification was performed (v. 10-12). Offerings were made: a sin offering (v. 14-17), a burnt offering (v. 18-21), and an ordination offering (v. 22-29). Finally, another anointing with oil took place. These steps are a repetition of what is described in Exodus (28:4, 29:4-7, 19-28).
- The Significance of the Ceremony Today The elements of the ceremony hold symbolic meaning for modern Christians:
Washing with Water: Symbolizes baptism by water and the Spirit. Paul says, “You were washed, sanctified, and justified in the name of the Lord Jesus Christ and by the Spirit of our God” (1 Corinthians 6:11).
Garments: Represents spiritual armor. Paul writes, “Put on the belt of truth, the breastplate of righteousness, the gospel of peace on your feet, the shield of faith, the helmet of salvation, and the sword of the Spirit, which is the word of God” (Ephesians 6:14-17).
Anointing with Oil: Signifies receiving the Holy Spirit (Acts 1:8). Paul says he was “set apart for the gospel of God” (Romans 1:1), and so are we, with the Holy Spirit’s help.
Offerings: Especially the ordination offering, where blood was applied to the priest’s right earlobe, thumb, and big toe, symbolizing consecration to hear God’s word, serve Him, and walk in His ways. Peter says, “You were redeemed not with perishable things like silver or gold, but with the precious blood of Christ” (1 Peter 1:18-19).
- After the Ordination (8:33-36) After the ordination, priests were not to leave the Tent of Meeting for seven days. This separation was to dedicate themselves fully to God’s service. During this time, they offered sacrifices daily and made atonement for themselves, reflecting on their duties, confessing sins, repenting, and preparing for their mission. We too need similar times for self-examination and dedication to God’s mission.
They were once slaves but are no longer (Ezekiel 16:7). Now, they began their journey as a people who worship God, love others, and proclaim peace. The transformation and the grace that brought it about were cause for great thanksgiving. Similarly, Christians are not just saved from sin but are chosen as priests to bring God’s peace and blessings to others. Jesus commanded us to spread the gospel to all (Matthew 28:19). Let us remember the great privilege of our holy mission and walk with gratitude. May God’s blessing be with you. See you again tomorrow.