民数記10章

<要約>
皆さんおはようございます。今日も、主の恵みに支えられた豊かな一日であるように祈ります。イスラエルの民の秩序が整理されて教えられる中、いよいよ約束の地カナン征服を目指す行軍が始まっていきます。その前のラッパの招集に教えられるところです。私たちにもいつも霊的なラッパが吹き鳴らされている、その合図に応じて礼拝に出ているだろうか?教えられるところです。今日も、皆さんの上に主の平安があるように。

1.銀のラッパ(10:1-10)
イスラエルの民は、いよいよシナイから約束の地へと行進の用意ができた。彼らを、雲の柱、火の柱が先導し、さらにはラッパの音によって統率されていくことになる。神のみこころを民に伝えるために、神が備えられた第二の手段は、銀のラッパであったが、どんなラッパであったのか。ヨセフォスによれば、ローマのティトウスの凱旋門にその浮彫があるという。長さ45センチ弱、先が朝顔形に広がったまっすぐなパイプである。
四種類の吹き方がなされ、四つの神の意思が示された。一つは、長音により民の招集が、短いスタッカートにより、戦闘あるいは宿営が出発する時である。短い一吹きが吹きならされるたびに、部族が、東側、南側、西側、北側の順に一団となって移動する。最後に、主の祭りを祝うために、ラッパが鳴り渡らせられる。おそらく、長音とは違うのだろうが、長く響く音が吹かせられたということなのだろう。
終わりの日には、「大きなラッパの響とともに」私たちは呼び集められるという。大切なのは、このラッパの響きを私たちが聞き分ける歩みをしているかである。いつでも、霊的なラッパの音を信仰の耳で聴く歩みをしているのであれば、問題はない。パウロは語る。「ラッパがもし、はっきりしない音を出したら、だれが戦闘の準備をするでしょう」(1コリント14:8)。結局は、公に語られる神のことばの響きに耳を傾けることである。ただ聖書を読むのではない、神のことばの響きに応じるのである。いつでも安息日の前には、礼拝への招集のラッパが吹き鳴らされている。その音を聞いて、礼拝に集っているであろうか。教会が一つとなって動き出し、戦いまた祝うそのためのラッパが吹き鳴らされている。しかし、そのラッパの音を聞き取らずにいて、自分の売買、ビジネス、祝い事(ルカ14:18-20)を優先しているのが、私たちの現実ではないか。そのような信仰の歩みをしながら、最後の終わりの日のラッパの音だけが聞こえるであろうか。それは心の耳に響くものである。となれば、私たちの歩み一つ一つが、神のラッパの響きに対する応答としてなされていることがいかに大切であるかがわかるだろう。そのような歩みをしていれば、その日その時はいつでもよいのである。
2.戦闘隊形での出発(10:11-36) 
11章から民数記の第二の大きな区分に入っていく。つまり、イスラエルがシナイを出発してからモアブの草原に到達するまでの38年間に及ぶ内容になる。第二年目の第二月の20日、イスラエルの民は、雲が上がるのを合図に、主の命令に従い、ラッパの音とともに出発したのであろう。まず命じられたとおりに、東側の一団、ユダ族が先頭になり、その後に各一団が従った。気になるのは、21節ケハテ族がガド部族とエフライム族に挟まれて出発していることである。彼らは主の契約の箱を運ぶ部族であるから、契約の箱は隊列の真ん中を進んだことになる。ところが33節では、主の契約の箱は「先頭に立って進み」とある。この矛盾をどう考えるのか。またヘブル語本文を読むと、35 節の前には、逆転のヌンがある。ヘブル語本文には、しばしば、ヘブル語アルファベットのサーメクやペイが頻繁に付されている。これは、一つの段落を示す記号なのであるが、逆転のヌンは、この節の位置に疑問を付すもので、旧約聖書本文中に9回、たとえば民数10:36の後、詩篇107:21-26、40にある。こうした本文の編集の跡を見ると、学問的には二つの異なった資料が組み合わされて、21節、33節の矛盾もあるのだという説明もわからないわけではないが、おそらく、契約の箱だけは、他の幕屋の調度品とは別に、ケハテ族に担われて文字通り先頭に立って進んだのではあるまいか。契約の箱は神の臨在の象徴であり、神が先頭に立って導かれることを象徴的に示すものだからである。 
最後に、神は私たちに祈りを教えられる。契約の箱が出発する時、また、それがとどまる時に、モーセはそれぞれ祈りをささげた。主が私たちと共に立ちあがるように、そして主がとどまるように。それは、私たちのすべてが神にかかっているとする、私たちの信仰告白である。主が私たちの人生の旅を成功させてくださるように、主がこの旅を最後まで導いてくださるように、主の祝福が豊かにあるように、今日も祈りを持って、一日を始めることとしよう。

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