6章 主の憎むもの
おはようございます。著者は、警戒すべき人達を上げていきます。そこには、一つの共通点があるようです。彼らは神を認めず、神に与えられた人生を大事にしていく、神に与えられた使命を果たそうとする志のない人たちです。人を見分けるポイントというべきでしょう。今日も、主の恵みを信頼し、支えられる豊かな一日であるように祈ります。主の平安
1.よその男
よその女の怖さに通じる、よその男の怖さがある。本来、人間は、互いに必要があれば貸し合い、助け合って生きるものとして造られたはずである。しかし人が財産なりを持っている場合には、一つの誘惑がある。貸付業によって辛い労働もなく収入を得ることができるからだ。そして債権が回収できない危険を回避するために、担保を設定するのだが、そこに、人の理解しえない非人間的な振る舞いをする、よその男が現れるのである。普通だったらそのような、よその男には近づかないだろう。だが、著者は、間違って、隣人の保証人となって、そのような男に関わってしまう罠があることを警告する。そしてもし万が一、あなたが隣人に情け深くし、そのような事態に陥ってしまうことがあるなら、その隣人にしつこく迫り、連帯保証の解消を求めるべきだ、と言う。諦めてはならず、徹底して自分の身を守るべきである、という。
2.怠け者
また、よその男に加えて警戒しなければならないのは、怠け者である。結局勤労を大事にせず、持てるもので法外な暴利を貪ることが、堕落の一歩である。大事なことは、勤勉・勤労の美徳を大事にすることだ。汗水たらして、コツコツ仕事をして、その適切な儲けで生活することを厭わないことである。平日の勤労もあってこそ、休日の安息もよき時なのである。蟻に学べ、というわけである。
3.陰謀家
次に、警戒すべきは、目くばせする者だろう。率直でオープンな人間関係を持つわけではない、裏のある人たち、そのために争いごとを引き起こす人々である。そのような関係に関わってはいけない。そのような関係は、必ず破局するものだから、という。
4.その他
著者は、最後にまとめて、警戒すべき存在について立て続けに語っていく(16節)。高慢な者、嘘つき、人殺し(17節)、策略家(18節)、噂好き、争い好き、そのような人間を警戒せよ。逆に読んでみれば、私たちが信頼して、心を開いてよい人のイメージが明らかである。つまり非人間的な商売には手を出さない人、勤勉・勤労の感覚を失わない人、裏のない人、謙遜な人、言葉に偽りのない人、人を大事にする人、誠実な人、平和を好む人、である。6章後半は、5章に続いて、よその女への警戒を語る。ことに人妻でありながら、信頼とは別の原理で、関係を持とうとし、非人間的な営みに誘い込む女である。そのような関わりは、容赦ない夫からの復讐である、と言う。徳を高める人間関係がある一方で、徳にならない人間関係がある。徳にならないどころか身を滅ぼす人間関係がある。