1列王記6章

1列王記6章 神殿建設
<要約>
おはようございます。ソロモンの神殿建設が進んで行きます。具体的に、作られた構造が描かれて行きますが、実際には概略の説明なので、詳細にそれをイメージすることはできません。しかし大切なのは、その神殿建設に、神の約束の成就があったこと、またソロモンの信仰の応答としての情熱が傾けられたことでしょう。神の約束に対する応答、これが私たちの信仰生活の基本です。今日も、主の恵みを信頼し、支えられる豊かな一日であるように祈ります。主の平安 
1.神の時
「イスラエルがエジプトの地を出てから480年目」とある。この数字については、概数的、象徴的な数字であるという説、つまり1世代を40年と考え、おおよそ12世代が過ぎたのだとも、また出エジプトから捕囚の歴史に至るまでの中間点を示す数字だとも考えられているし、実数で、BC1446 年に出エジプトがあって、それから480年経ったことを示しているとも考えられている。はっきりとしたことはわからないが、神がご計画されることが、短期的、一発的なものではないことを思わされる。アブラハムに祝福を約束し、その約束が実現するまでの時間経過がある。そのような意味では、イエスが語られる神の御国の建設も今なお進行中であると言わなくてはならない。
ただなぜ神がそのような非効率なことをわざわざされるのか、と思うところがある。自分の親を介護する年代となり、また大学で福祉関係の講義をしながら思うことは、今の日本の社会が動いているようなスピードで物事をこなしていたら、本当に目に見えない形で人の内に育っていくものがある、という感覚がわからない、ということだろう。やはり、物事が熟成する、あるいは発酵する速度のように、じんわりじんわりと物事が生み出されていく速度があって、人が本当に幸せを感じていくのも、そのようなとろい感じがあってこそである。たとえ仕事であってもやはり良い仕事というのは、それなりの時間が必要なのだ。神は言う。「あなたの父ダビデに約束したことを成就しよう。私の民イスラエルを捨てることはしない」(12、13節)480年経った後であればこそ、その言葉の重みもある。
2.ソロモンの神殿
さて、ソロモン王が建設した神殿はおおよそ、長さ30メートル、幅10メートル、高さ15メートル、つまり、横に長い長方形の、約5階建てのマンションを思い浮かべたらよいのだろう。その構造については、外観(2-14節)、内部(15-30節)、入口(31-35節)、中庭(36節)など色々と書かれているが、それらは概要であって、位置も方角も省略されており、詳細はよくわからない部分がある。ただ、彼は、神殿のために、金、銀、そして様々な種類の高価な石(1歴代28:14-29:9)、と最良の材料を惜しまず、さらに最前の技術を用いている。それだけの思いを注ぎ、献身的に神殿を建てあげたソロモンの姿が印象的である。
しかしながらこれは、教会を建てあげることにも通じることである。教会を建てあげる使命は、教会に集う全ての人が共有し、使命感をしっかり持て行うべきものだろう。やはり使命感を持って奉仕している人とそうでない人との差ははっきりとしている。使命感をしっかり持っている人は、喜んで事にあたるものであるし、何か困難や障害にぶち当たっても挫けない。むしろ落胆するようなことがあっても、どのようにその困難や障壁を乗り越えていくかを考え、工夫していくものである。ソロモンのように惜しみなく自分の力を注ぎこみ、自分の最善を尽くし、一流の仕上げを目指すものである。しかし、使命感が弱いままに困難に直面すると、自分が何のためにこの役割を引き受けているのか、がわからなくなる。結局義務感に強いられて嫌々ながら物事をやるだけであったり、損得勘定に囚われて自分の労が報いられることばかりを考えたりするようになる。そのような意識では物事を建てあげる働きなどできない。今自分は何に召されているのか、使命感をしっかり持つ者でありたい。

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