2歴代誌1章

2歴代誌1章 ソロモンの栄華

<要約>

おはようございます。本日から第二歴代誌に入ります。今日の箇所を読んで改めて教えられるのは、神の誠実さですね。人間の神に対する誠実さではなく、神の人間に対する誠実さです。実はこの点がよくわかれば、信仰生活は本当の意味で楽しくなります。しかし、多くの人は、自分がいかに神に誠実に生きるかに腐心して生きているのではないでしょうか。神に対する誠実さも与えられるものです。今日も、主の恵みを信頼し、支えられる豊かな一日であるように祈ります。主の平安

1.ソロモンの礼拝

2歴代誌は、ソロモンの統治からイスラエルの捕囚と回復までを扱う。列王記と重なる部分が多く、1章もオリジナルは、1-6節のみであり、7-13節は、1列王記3:5-15の抄録となっている。また14-17節は、1列王記10:26-29の再録である。ただし本来のヘブル語聖書に、1歴代誌、2歴代誌の区別はない。すでに述べたとおり1歴代誌は、礼拝の民再建のために書かれた書であり、この書もまた同じ主題を引き継いでいると理解してよい。そこで1章なのだが、これは神殿再建の開始を語っている。

まず、その手始めに、ソロモンは、ギブオンにある高き所に行って(3節)、主に求め(5節)、ささげた(6節)。ソロモンが、ギブオンに行ったのは、会見の天幕があったからだ、と説明されている。しかし、神の臨在の象徴である神の箱は、エルサレムにあった。著者が注意を向けているのは、ギブオンには、ベツァルエルが造った青銅の祭壇があったことだ。つまり、この1-6節の強調は、行って、求め、ささげるという礼拝の本質的な行為である。ソロモンは礼拝者としてささげるためにギブオンに行ったのである。そこにすべての祝福の基礎があった。

2.ソロモンの祈り

次にソロモンが主に何を求めたのかがわかるエピソードが挿入される(7-13節)。ソロモンは、第一に神に約束の守りを(9節)、第二に知恵と知識を求めている(10節)。ソロモンが求めたのは、神が契約を誠実に守ってくださることだ。そして、自分が神に与えられた使命を忠実に果たすことができるための知恵と知識が与えられることである。大切なのは、知恵と知識が一番優れている願い事というのではなくて、神に与えられた使命を果たすために必要なものを求めた点である。これは、私たちの祈りとされねばならないことである。一般に事業を行おうとするなら、知恵と知識に欠けていると思わされることは多くあろうが、福音を宣教する神の働きはまさに世が願うものではないから、一層上からの知恵と知識を必要とする。「あなたに何を与えようか。願え」という神の問いかけに対して、自分自身の弱さをよく理解し、神との関係において求めるべきものを求めたところが評価されている。

3.約束を果たす神

14-17節は、神の約束が忠実に果たされたことを証する。考古学上の発掘によって、石造りの馬屋がメギドに発見されている。メギドそれ自体は、20層からなるテル(小高い遺丘)で、イスラエル時代のものは、4-6層に、約450頭の馬を収容し得る馬屋が発見されている。これらは当初ソロモン時代のものと考えられていたが、実際にはエジプトの王シシャクによって滅ぼされ、その後再建されたアハブ王、あるいはヤロブアム2世の時代のもの、と今では考えられている。ともあれ、同様のものが、イスラエルの国中に配備されたのが、戦車の町々、という意味である。サウル王とヨナタンだけが武器を持っていた時代とは、あまりにも大きな差である。イスラエルがそこまで繁栄したのは、「大いなる恵みを施された」神によるものだ(8節)。銀と金を石のように用いるようにさせた神。近隣諸国との関係を守り輸入と仲買を盛んにさせた神。神は、真に恵み豊かな神であり、約束を守られる神である、と信じることが求められている。

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