創世記29章

創世記29章 ラケルとの出会い,結婚
1.ラケルとの出会い(29:1-14)
 ベエル・シェバからハランまで約800キロメートル。長旅の末、ついにヤコブは、伯父ラバンの住む町の近くにたどり着きました。ヤコブは、町の側にあった井戸で、叔父のラバンの娘、ラケルと出会うのです。まあ、偶然という言葉を使いたくなるところですが、それは、「神の祝福のことば」に基づいた神のご計画でした。ラバンの家に迎えられるとヤコブは、「事の次第のすべてを話した」と言います。ヤコブが自分のありのままを語ったのは、もはやエサウを騙した古い自分とはお別れして「神の祝福のことば」を受けた、いわゆる神と共に生きる誠実な歩みをしたいと思ったからではないでしょうか。
しかし、人間の世界はそんなに甘くはないものでしょう。自分が誠実に生きようと心を決めたからと言って、他人から誠実さが返ってくるとは限らないものです。自分が新しく生き直したいと思っても、社会がその思いを踏みにじってくることがあるものです。人間は皆自分と同じように考えて行動してくれるわけではありません。ラバンは、ヤコブの誠実さを評価しましたが(14節)、これを逆に利用するずるがしこい人でした。ヤコブは、初めて家を離れ、人生の風雪に耐える時をそこで過ごすことになるのです。しかし、神は正しいお方であり「神の祝福のことば」に偽りはありません。やがて、ヤコブは、すべての良きものは上から来ることを悟るようになります。
2.ラケルとの結婚(29:15-35)
当時花嫁の父は、「花嫁料」を受け取るのが普通でした。花嫁は、財産や奴隷のように売り買いするものではありませんが、貴重な家族の構成員を失うことに対する代価として支払われるもので、通常は銀50シェケルが支払われました。そしてヤコブのように労働で返すこともありました。ヤコブが7年ラバンに仕えたのは、そのような理由です。しかしヤコブは、騙されました。この土地には、長女を先に嫁がせるルールがあるとして、ラケルではなく、長女のレアを与えられ、ラケルのためにさらに7年間ラバンに仕えなければならなくなったわけです。騙す者が騙される者となっていく。こんなところで人生の過ちを償わせられるなんて、とヤコブは臍を噛む思いであったのではないでしょうか。しかし償わせられている、と思わされることがあるなら、静かに受け止めるべきです。それが人間の成長でしょう。そしてやはり正しい神がおられることを覚えて、神を恐れて人生を歩むべきなのでしょう。物事の帳尻を合わせられる神がおられる。そのような神を認めるところに、道徳倫理も成り立つのですし、悪を避け、人を利用する心を持ってはならないと自戒もさせられるのです。そして、人を利用する者に出会い、その足かせを逃れることができないようなことがあっても、「神の祝福のことば」を信頼し、静かに成り行きを見ていくことなのです。たとえそれによって損失を受けることがあっても、豊かに償う力のある神を信頼することです。慌てず、争わず、祈ることです。神は、失った時も、機会も、ものをもすべて取り戻してくださることでしょう。
そのような意味で、著者は、夫に愛されないレアが、神の愛のまなざしの中に置かれていたことを書き加えているのでしょう。ヤコブはラケルを愛しました。レアを妻として愛さねばならぬとはわかっていても、レアに対する愛情は湧かなかったわけです。レアにしてみれば、実に理不尽な人生です。しかしレアは、真っ先に子を産む女の祝福に与り、やがてイスラエル12部族の中では、祭司となるレビ族と王を排出するユダ族の母となりました。人間ヤコブは、目に好ましいラケルを選んだが、神は、見た目も劣り、嫌われた女レアを選ばれたのです。全く望みのない理不尽な人生に置かれた人々にとって、この神の性質を知ることは福音でしょう。神は、窮地に陥ったヤコブを、そして悪意に振り回されたレアを見過ごしにはされませんでした。すべての帳尻を合わせ、すべての人に公平を帰する、つまりご自身の「祝福の言葉」を実現される神がおられることを覚え、その神の前に正しく歩みたいところです。では今日もよき一日となるように祈ります。

<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「神は夢で語られることがあると聖書は言いますが、旧約聖書で「夢見る者」とあだ名された人物は誰でしょうか?」答えはヨセフ(創世記37:19)でした。では、今日の聖書クイズを一つ。先祖アブラハムたちと共に、マクペラの洞穴に葬られたのは、レア、ラケル、どちらでしょうか?答えはまた明日。では、今日もよき一日となるように祈ります。

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