今の時代はとても豊かで便利です。人と関わらなくても、一人で困らずに生活できるように感じることもあります。しかし、その考えは本当なのでしょうか。実際には、人はどの時代でも、互いに助け合い、譲り合いながら生きていく存在なのではないかと思います。
1.預言者と家族の暮らし
この章には、古代イスラエルの預言者たちの日常が描かれています。彼らは特別な使命を持っていましたが、そのために社会の中心から外れ、生活も安定せず、ときにはとても厳しい目にあっていました。本章で紹介されている四つのできごとは、そうした彼らの日々を知ることができる大切なエピソードです。
最初の話は、夫を亡くした女性が貧しさに苦しみ、借金を返せず、子どもを年季奉公に出さなくてはならなくなったできごとです。困り果てた彼女に対し、エリシャはわずかしかなかった油をどんどん増やす奇跡を起こしました。そのおかげで、女性は借金を返し、子どもたちと一緒に暮らせるようになりました。エリシャは、「自分ではなく神が解決する力を持っている」ことを示したのでした。神は、まじめに努力する人の暮らしを決しておろそかにしません。
2.配慮と支え合いの物語
次は、シュネムという町の女性が「屋上の小部屋」を預言者エリシャのために用意した話です(4:8–37)。彼女は経済的に余裕があり、その恵みを生かして神に仕える人を気遣いました。その善意は、子どもを授かる形で神から返ってきます。そして、子どもが重い病気になったときも、エリシャの祈りによって回復しました。神の報いは、ただの励ましではなく、確かな祝福です。
三つ目は、「鍋に毒がある」というできごとです(4:38–41)。食べ物がなくなり、預言者たちは野に生えていた瓜を取って煮物にしましたが、それには毒があり、食べられなくなってしまいました。このような予想外の困難が、苦しい生活の中ではよく起きるものです。しかし、エリシャが麦粉を入れて祈ると、その料理は安全に食べられるようになりました。この話は、預言者たちの厳しい暮らしと、絶望的な状況さえ神が善いものに変えてくださることを伝えています。
最後は、大麦パン20個で100人を満たす奇跡です(4:42–44)。ある人が神の人に贈り物を持ってきましたが、神の人はそれを自分だけで受け取らず、他の預言者たちにも分けなさいと言います。パンの量は全員にはとても足りそうになかったのに、皆に分けたところ、不思議なことに十分に行きわたり、しかも余るほどでした。この話は、新約聖書でイエスが起こした「5000人の給食(パンの奇跡)」にも通じます。しかし、それだけでなく、自分の持っている恵みを必要な人と分け合う愛についても教えているのです。物が足りないときでも分け合う信仰と勇気が、神の大きな祝福につながることを伝えています。
3.現代へのメッセージ
神の働き人に対する配慮の不足の問題は、旧約聖書の時代だけでなく、新約聖書の時代にもありました。使徒パウロはガラテヤ6:6で、教会が牧師の生活を支えるよう教えているのはそのためです。
今の日本の教会でも、牧師やその家族が教会の支えだけで暮らしている場合だけでなく、そうでないケースも多く見られます。経済的な厳しさのなか、牧師がほかの仕事もしながら、家族とともに大きな負担を抱えて牧会や伝道に励む姿も少なくありません。この聖書の箇所は、そうした家族を気遣うことの大切さや、必要に応じて助けの手を差し伸べることの大切さを教えていると感じます。それがどんなに小さなものであっても、神のために努力する人を大切にし、支えていく行動はやがて神の祝福につながるでしょう。
私たちも思いやりの心を持ち、支え合う温かい共同体を目指していきたいものです。それでは、また明日。
Season 6: 2 Kings Chapter 4 – Caring for God’s Servants
Today, life feels rich and convenient. Some people think they can live alone without help. But is that really true? In every age, people need each other. We live by helping and sharing.
1. The Life of Prophets and Their Families
This chapter shows the daily life of prophets in ancient Israel. They had a special mission, but that often meant living outside the center of society. Life was hard and unstable.
The first story is about a woman who lost her husband. She had debts and was about to send her children as servants to pay them. Elisha helped her. He prayed, and her small jar of oil kept flowing until she could pay her debt and live with her children again. This shows that God cares for those who work honestly.
2. Kindness and Support
Next, a woman in Shunem prepared a small room for Elisha (4:8–37). She used her wealth to help God’s servant. Later, she received a child as a blessing. When the child became sick, Elisha prayed, and the child lived again. God’s reward is real and full of grace.
The third story is about food with poison (4:38–41). During famine, the prophets cooked wild gourds, but they were harmful. Elisha added flour and prayed, and the food became safe. Even in hopeless times, God can change things for good.
The last story is about 20 barley loaves feeding 100 men (4:42–44). Someone brought food for Elisha, but Elisha said, “Share it with everyone.” It seemed too little, but when they shared, it was enough—and there was food left over! This reminds us of Jesus feeding 5,000 in the New Testament. It teaches us about love and courage to share even when things look short.
3. Message for Today
This problem—lack of care for God’s workers—was not only in the Old Testament. Paul wrote in Galatians 6:6 that churches should support their teachers.
Even today in Japan, many pastors live with financial stress. Some work extra jobs while serving their church. This chapter teaches us to care for such families and help when needed. Even small acts of kindness matter. God blesses those who support His work.
Let’s build warm communities where we help and share. See you tomorrow!