あなたは、誰かの言葉を信じて行動し、その結果後悔した経験はありませんか？今日の箇所には、古代の人々にも同じような悩みや葛藤があったことを教えてくれるものです。この聖書の物語は、現代を生きる私たちにも情報があふれる中で、何を信じて決断すべきかという大切な問いを投げかけています。
2．背景：王国の分裂と宗教の混乱
まず、当時の歴史を簡単に紹介します。紀元前10世紀ごろ、イスラエルの国はソロモン王が亡くなった後、北のイスラエル王国と南のユダ王国に分裂しました。北の王ヤロブアムは、民が南のエルサレムへ礼拝に行くことで、自分の支配力が弱まるのを心配しました。
そのため、ヤロブアムは北の町ベテルとダンに祭壇を作り、そこに金の子牛を置きます。さらに、本来祭司の資格がない人々を祭司にしてしまいました。つまり、自分の都合で宗教のあり方を変えてしまったのです。
3．物語のあらすじ：神の人と二人の誘惑
この場面に登場するのが「神の人」と呼ばれる預言者です。彼の名前は記されていませんが、確かに神から特別な使命を受けていました。
神の人はヤロブアム王に、「この祭壇は壊され、いつかヨシヤという王が現れて完全に取り除く」と預言します。この預言は、実際に約300年後に成就します（2列王23:15-20）。そのしるしとして祭壇が裂け、灰がこぼれました。王は動揺し、神の人を食事に招こうとしましたが、神の人は断りました。なぜなら、神から「パンも水もとらず、同じ道を通らずに帰るように」と命じられていたからです。彼は命令に忠実でした。
しかし、その後新たな人物が現れます。ベテルに住む年老いた預言者です。彼は神の人に近づき、「私も預言者だ。神の使いが現れて、あなたに食事をしてよいと伝えた」と話します。これは嘘でしたが、神の人はその言葉を信じてしまい、食事を共にします。
その結果、神の人は神の命令に背いたことになり、帰り道で獅子に襲われて命を落とします。獅子は遺体もろばも襲わず、ただ静かに立っていました。これは偶然の事故ではなく、神の裁きのしるしであると物語は語ります。
4．この物語が語ること：三つのポイント
では、この物語は何を教えているのでしょうか？三つのポイントにまとめます。
（1）神の言葉は必ず実現する
神の人が語った預言は、ヨシヤ王によって約300年後に本当に成し遂げられました。神の言葉には人間の計画や力よりも大きな力があり、歴史を動かすということです。これは聖書全体を貫く大きなテーマの一つです。
（2）誘惑は外側だけでなく、内側からもやってくる
神の人は王の誘いをきっぱり断わりました。しかし、同じ預言者という「身近な仲間」からの言葉には、心が揺れてしまいました。私たちも時に、外からの圧力よりも、身近な人のもっともらしい言葉に心が動かされやすいものです。
（3）神の言葉を受け取ったら、確認し続けることが大切
神の人は「神が語った」と信じていましたが、別の言葉を聞いたときに、もう一度神に問い直すことはしませんでした。聖書には「すべてを吟味し、良いものをしっかり保ちなさい」（1テサロニケ5:21）と書かれています。つまり、神の言葉は他人のためだけではなく、自分自身に対しても疑いなくしっかり守るべきものだと示されています。また、ヨハネは黙示録の最後で「預言のことばに加えたり取り除いたりしてはならない」と述べました。神のことばには、誠実に向き合い、語られた内容を大切に守る心構えが必要なのです。
5．神と直接つながる信仰
この物語は古代の出来事ですが、現代の私たちにも深く関わっています。今の時代も、私たちは多くの情報や他人の意見に囲まれて生きています。その中で、最終的な判断は自分自身でしなければなりません。そして、聖書を通して神から語られることを信じることが大切です。
そのため、人の話や信仰書などの間接的な情報だけで満足せず、自分で聖書を開き、神の教えを直接知ることが重要です。ただし、これは牧師が解き明かしてくれる神の言葉や、その導きを否定するものではありません。週ごとに牧師の説教を通して神の言葉を聞いたり、聞き方を学んだりすることも同じように価値があります。牧師という案内役の助けを得つつも、自分の心で神の声が何を語っているのか、しっかりと確認しながら受け取る姿勢が大切です。今日も、神があなたの心に豊かに語りかけてくださいますように。また明日お会いしましょう。
Season 6: 1 Kings 13 Explained Simply – The Prophet and His Death
Have you ever trusted someone’s words, acted on them, and later regretted it? Today’s Bible story shows that people in ancient times faced the same struggles. It also asks us an important question: What should we believe when there is so much information around us?
2. Background: A Divided Kingdom and Religious Confusion
After King Solomon died (around the 10th century BC), Israel split into two kingdoms: the northern kingdom of Israel and the southern kingdom of Judah. Jeroboam, the king of the north, feared losing power if people went to Jerusalem in the south to worship.
So, he built altars in Bethel and Dan and placed golden calves there. He even appointed priests who were not from the tribe of Levi. In short, he changed God’s way for his own benefit.
3. The Story: The Man of God and Two Temptations
A prophet called “the man of God” came with a special mission from God. He told King Jeroboam:
“This altar will be destroyed, and one day a king named Josiah will remove it completely.”
This prophecy came true about 300 years later (2 Kings 23:15–20). As a sign, the altar broke apart and ashes spilled out.
The king invited the man of God to eat with him, but he refused because God had told him:
“Do not eat or drink there. Do not return by the same way.”
He obeyed—at first.
Later, an old prophet from Bethel came and said:
“I am also a prophet. An angel told me you can eat with me.”
This was a lie. The man of God believed him and ate.
Because of this, he disobeyed God’s command. On his way home, a lion killed him. The lion did not eat the body or the donkey. It was a sign of God’s judgment.
4. What Does This Teach Us? Three Lessons
(1) God’s Word Always Comes True
The prophecy about Josiah happened 300 years later. God’s word is stronger than human plans.
(2) Temptation Comes from Outside and Inside
The man of God said “No” to the king but believed a fellow prophet. We often trust familiar voices more than strangers.
(3) Keep Checking God’s Word
He did not ask God again when he heard a different message. The Bible says:
“Test everything. Hold on to what is good” (1 Thessalonians 5:21).
We must stay true to God’s word and not add or remove anything (Revelation 22:18–19).
5. A Faith That Connects Directly to God
This story is old, but it speaks to us today. We live in a world full of opinions and information. In the end, we must decide for ourselves.
Read the Bible for yourself. Listen to pastors and teachers, but also confirm God’s voice in your own heart.
May God speak to you today. See you next time!