ヨシュア記12章 占領した地の王たちは次のとおりである。

ヨシュア記12章 征服地の概要

1.神の民のものとなったカナン

主のしもべモーセと、ヨシュアによって、約束の地カナンが取り戻されていきます。前半の1-6節までは、モーセによって占領された地域で、ヨルダン川東側に当たるルベン、ガド、マナセが相続した地について記録しています。9節からは、ヨシュアによって占領された地域で、地名は、イスラエルの地理に詳しくない日本人にとってはいささかたいくつなリストでしょう。これを一つ一つ、地図で確認するのも大変ですが、それでもいくつか確認していくと、それらはだいたいヨルダン川西側に位置するものです。エルサレム、ヘブロン、ヤルムテ、ラキシュ、エグロン、ゲゼル、デビル(10-12)、リブナ、アドラム、マケダ(15-16a)これらは、今のエルサレム近郊に位置する国々です。ゲデル、ホルマ、アラデ(13-14)、これらは今のガザ地区、および、死海南部の西側に位置します。べテル、タプアハ(16b-17a)は、イスラエル中部のヨルダン川よりの場所、ヘフェル、アフェク、シャロン(17b-18)は、逆の地中海沿岸よりの場所です。マドン、ハツォル、シムロン・メロン(19-20)は、現在のガリラヤ湖の北に位置し、アクシャフ、タナク、メギド、ケデシュ、ヨクネアム、ドル(21-23a)は、ガリラヤ湖の西側、カルメル山より、つまり地中海よりに位置します。ゴイム、ティルツァ(23a、24)は、それぞれヨルダン川の西側、南部と中部に位置します。

こうしてみると、大雑把に、今のイスラエルの南方と北方、その中心のいくつかの国々を総なめして占領し、これらを部族ごとに占有したことがわかります。これが主のしもべモーセとヨシュアが、主にあって成し遂げたことでした。

2.神の民のものとすべきもの

しかしながら、考えてみるに、私たちの救い主であるイエスも同じように、私たちが占領すべき町々があることを語るのです。パウロは言います。「キリストはすべての支配と権威のかしらです」(コロサイ2:10)、と。そして「キリストにあって、肉のからだを脱ぎ捨てて、キリスト共に葬られ、よみがえらされたのです。(それは)・・・私たちのすべての背きを赦し、私たちに不利な、様々な規定で私たちを攻め立てている債務証書を無効にし、それを十字架に釘付けにして取り除いてくださいました。そして、様々な支配と権威の武装を解除し、それらをキリストの凱旋の行列に捕虜として加えて、さらしものにされました」(コロサイ2:11-15)。と言います。

パウロが、占領すべきものとして語っているのは、他人ではなく、私たち自身、私たちの罪の性質です。キリストを知り、自己中心な自分をはっきりと意識するようになり、変わりたいと考えた時から、これまで世の悪を楽しんでいた目を、神の愛を見つめる目としていく、悪に染まりやすい手を、善を行う手として神に献げていく、悪の道に彷徨い易い足を、福音のよき知らせを告げ知らせる足としていくわけです。また、私たちの知性や感情もそうでしょう。神を否定し拒絶する知性であったものが、今度は、神を認め、物事の背後に神の御手があることを覚えて考えていくようになり、ねたみ、憎しみ、怒りという獣を飼い育てていた心に、神の愛、善意、誠実さを満たすように祈っていく。まずは、私たち自身の体、知性、感情が、神のよきもので征服され、その上で、この社会が主のものとして取り戻されるための戦いを考えるのです。それは、単純に私たち自身が、主にあって新しい者、キリストにあって変えられた者とされることを出発とするもので、互いに、主にある新しさを願う戦いですが、結果的に意図せずにして、貧しい者、虐げられた者が回復される戦いに繋がっていくものなのです。そして勝利を与えてくださるのは、またその結果をつけてくださるのは主ご自身です。主のしもべとして、主が勝利に導いてくださることを信頼しつつ、歩ませていただきたいものです。では今日もよき一日となるように祈ります。

 

<クイズコーナー>

最初に、昨日のクイズです。ペリシテ人の五大都市と呼ばれたのは、ガザ、ガテ、アシュドデ、アシュケロン、そしてどこでしょうか?答えはエクロンでした。これらの五大都市は、5人の領主によって治められていましたが(ヨシュア13:3)、後に領主に代って王を持つようになりました(エレミヤ25:20)。

では、今日の聖書クイズを一つ。イスラエルの地理は、地中海沿岸、高原、ヨルダン渓谷、そしてヨルダン川東側の台地と四つのベルト状に並ぶ地域で覚えますが、エルサレムはどの地域に位置するでしょうか?答えはまた明日。では今日もよき一日であるように祈ります。

 

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