ヨシュア記15章 ユダ族の相続地
1.ユダ族の相続(15:1-16)
14章に続いて、ユダ族の相続地の境界(15:1-12)と、境界内にある町々(15:20-62)が記されています。南部の荒野から始まり、西、東、北、それぞれの境界が細かに記されますが、広大な地です。12部族の中では、東ヨルダンと西ヨルダンの二カ所を相続したマナセに次ぐ大きさです。占領した町の数も約110以上です。カレブとカレブの協力者であるユダ族が、主に従い通した結果がこれだ、というわけです。
キルヤテ・セフェルを打つ者には、自分の娘を妻とするというカレブのことばに、カレブの同族の者オテニエルが立ち上がったと言います。カレブのみならず、カレブに協力する者が一丸となって、これらを手にした、その様子が伝わってまいります。
そのような意味では、教会が一丸となって、神の約束を信じ、神の約束に立って宣教を進める気持ちのあるなしは、やはり宣教のパフォーマンスに大きな影響を与えること間違いなしと思われるところがあります。牧師と信徒が心を一つにして、神に与えられた教区の町々に、主の恵みのみことばを告げ知らせていく。そこに神の業もなされるのです。
2.アクサの上の泉、下の泉(15:17-19)
さてカレブの娘アクサのエピソードが挿入されています。このエピソードは士師記1章に再録されています。そして士師記3章には、オテニエルは、ヨシュアの死後、第一の士師としてイスラエルを救出し、約束の地カナンで40年間の平和を維持した人物として記録されています(8-11節)。
妻となるアクサは、オテニエルに、自分の父に畑を求めるように、しきりに促しました。古代イスラエルにおいては、妻となる女性が持参金を求める習慣があったので、それは当然の権利でした。ただ、カレブの娘アクサは畑地よりも泉を求めたのです。ユダ族が相続した土地は広大でしたが基本的に荒野、その地で生き延び、さらに繁栄するためには泉が必須だったのです。カレブはこの娘の要求に、上の泉と下の泉、つまり倍の持参金を気前よく与えています。これは、主に従う者への象徴的なエピソードです。
というのも信仰者の人生は、しばしば荒野をオアシスにするようなものです。そのように信仰的に生きようとする者に、神は上の泉と下の泉を下さるのです。具体的にイエスご自身がそうです。イエスは「わたしを信じる者は、聖書が言っているとおり、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになります」(ヨハネ7:38)と言いました。今の、この混とんとした時代において最も宝とされる存在は、命の泉のごとく、活力で満ちた人でしょう。つまり、慰めの人、光の人、愛の人、塩気のある人です。神は、信仰者にそのいのちの源泉を豊かに与えられるのです。
3.ユダの町のリスト(15:20-63)
20節からは、ユダの町のリストになっています。全部で11の地区に分割されています。第一の地区はベエル・シェバを中心とした南部の広い地域で36の町が含まれます(21-32節)。32節では、合計29とされますが、実際は36です。ヘブル語聖書のギリシャ語訳(七十人訳)では、これらの町々の中からハツォル(23節)、ハツォル・ハダタ(25節)、へシュモン(27節)、アイン(32節)が欠落し、23、24節に分かれて記載されているイテナンとジフ(23、24節)をイテナンジフと読み、またビズヨテヤ(28節)を「それらの村々と農地」と読み替え、合計30になっています。七十人訳で読むと合計値が大分近いのですが、この矛盾については、良い解決がありません。
第2から第5地区までは低地の町々と村々で、33-36節が第2、37-41節が第3、42-44節が第4、45-47節が第5地区です。ちなみに第2地区の町の数(15)と合計値(14)も合っていません。七十人訳では、ゲデロタイム(36節)が牧場と訳され合計値が合っています。さて、第6から第10地区までが山地の町々で48-51節が第6、52-54節が第7、55-57節が第8、58-59節が第9、60節が第10地区です。そして最後の61-62節が荒野で、第11地区となります。
ともあれ、このように地区を分けたのは、彼らが、徹底してこれらの土地を自分たちのものにしようとしたためでしょう。今の私たちも同じかもしれませんが、大切なのは、そのように各自散らされた場で、何よりも世の人々の泉として見いだされることです。イエスの恵みを分かち合う者となることです。では今日もよき一日となるように祈ります。
<クイズコーナー>
最初に、昨日のクイズです。ヨシュアの時代、ヘブロンにはアナク人が住んでいたと言いますが、その前のアブラハムの時代に住んでいたのは何人でしたでしょうか?答えはヘテ人でした。アブラハムは、妻サラの墓地にするためにヘテ人エフロンから畑を購入しています(創世記23章)。では、今日の聖書クイズを一つ。ヨルダン川の東側と西側、両方に相続地を持った部族は、何部族であったでしょうか?答えはまた明日。では今日もよき一日となるように祈ります。
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