18章 祭司職にある者への規定
1．祭司職とレビ人の務め（18:1-7）
既に、16、17章において、アロンの祭司職が神の任命であることが確認されました。人間が選出するのでもない、人間が自分から買って出るのでもない、ただ神が選んで任命される職務です。16、17、18と三つの章で、神がアロンの祭司職を弁護し、更新し、確認しているのです。そして、コラの事件を通じて、なぜ祭司職が必要なのか、その重要性についても解き明かされました（17:12-13）。つまりそれは、神からの怒りが民全体に及ばないようにする働きです。彼らの任務は、守り、神の宥めであり、人々へ神の災いが及ぼされないようにするためです。だからこそ、祭司とレビ人、レビ人と非レビ人の境界が区別されるわけです。無資格の者は、レビ人の区域に踏み入ることが許されない。またレビ人は、お手伝いとして会見の天幕を守る職務にあたりますが、幕の中、つまり至聖所は大祭司のみ、幕の前まで、つまり、聖所や祭壇の奉仕は祭司だけの独占的職務で、その職務を侵害する者は裁きにあうと言います。そしてそのさばきを受けるのは、祭司もなのです。聖所にかかわる咎は、レビ人と祭司が、祭司職にかかわる咎は祭司が負うのです。こうして、神は、ご自身の聖い怒りのゆえに、民が滅ぼされないための結界として、レビ人、祭司を設けられたのです。
2．祭司職の報酬（18:8-20）
このように聖所の務めに専任する祭司は、聖所に奉納されるささげ物から生活の糧を得ることが許されました（8-20節）。確かに彼らがそのために専心すると言うのであれば、当然のことでしょう。ここでは二種類の収入が認められています。第一に祭司だけに権利があるささげ物は、穀物のささげ物、罪のきよめのささげ物、代償のささげ物として、祭壇の上で焼かれる記念の部分を除いたものです。これらは最も聖なるもので、祭司だけのものです（9節）。第二のものは、祭司の家族が受けられるもので、いけにえ、収穫の初物、家畜の初子の一部、聖絶のものから神に献げられたものなど、イスラエルの民が、主に献げる聖なる奉納物です。神は、イスラエルの民からそれらを受け取って、祭司にお渡しになる、つまり、イスラエルの民が神の下で祭司の働きを認め、正当に評価し、その生活を保障することをこうして定められたのでした。
実際のところ祭司の場合、神ご自身が彼らの相続地とされ、実際の土地を持つことは許されませんでした。ですから、他部族のように、農耕や牧畜による収入は得られなかったのです。彼らは何等かの収入を確保されなくてはならず、ささげ物の一部を受ける権利を与えられたのは、彼らの職務からすれば自然なことです。神は、彼らとその家族の必要を、彼らの職務に関連して、つまり神の民のささげ物によって満たされるように定められたのです（20節）。
後にパウロは、この祭司の定めを取り上げて伝道者がその働きから生活に必要なものを得ることを教えています（1コリント9:3-14）。また「みことばを教えてもらう人は、教えてくれる人と、すべての良いものを分かち合いなさい」（ガラテヤ6:6）と語りました。「私たちがあなたがたに御霊のものを蒔いたのなら、あなたがたから物質的なものを刈り取ることは、行き過ぎでしょうか。」（1コリント9:11）とも語っています。牧師は、聖書を解き明かす霊的な職務から分け与え、信徒はその養いを受けて、物質的なささげ物を持って牧師の生活を支えていく、パウロはそれを分かち合いであると教えるのです。
3．祭司とレビ人の関係、十分の一（18:21-32）
レビ人の場合も同じです。彼らは聖所の務めに専従し、祭司と同様相続地を持つことがありませんでした。ですから神の民の奉納物から十分の一を得るように定められました。十分の一は、古代オリエント諸国で行われていた普通の慣習であったようですが、それは、ささげ物の一種の目安とされたのです。今日教会で実践されている収入の十分の一の献金に抵抗感を覚える方も少なくないでしょう。ユーザーは安いものに流れるとは言いますが、だからといって、自分たちが恩恵を受けている教会の働きに対して、責任のないようであってはならないでしょう。会計報告書に関心をもって、自分たちの教会の経済状況がどうであるかを理解し、教会のために忠実に働いている牧師の働きを認め、それに相応しい報酬を考えていく、これはやはり信徒が考えるべきことで、信徒以外に考える人もいないことでしょう。詰まるところ、献金も単純に責任や義務というよりも、教会の働き人に対する配慮と思いやりに満ちた愛の業であること、心遣いが重要なのです。では今日もよき一日となるように祈ります。
＜クイズコーナー＞
最初に、昨日のクイズです。イスラエルでは、アーモンドの花は何月に咲く花でしょうか？答えは、1月頃です。アーモンドは、1月にどの花よりも真っ先に花を咲かせます。1月から2月にイスラエルに行くと、見ることができます。アーモンドには、桜のようなピンクの花を咲かせる栽培種と、白い花を咲かせる野生種の二種類があり、イスラエルでは白い花が一般的です。では今日の聖書クイズを一つ。旧約聖書に出てくる重量の最小の単位は、なんでしょうか？①ゲラ、②シェケル、③ベカ、④ピム、答えはまた明日。では、今日もよき一日となるように祈ります。
＜天草さんのフォローアップ＞
パスターまことの聖書通読一日一章をフォローし、さらに掘り下げにチャレンジしている、天草さんのサイトはこちら⇒「天草幸四郎」http://progress-to.jugem.jp/
私の願いは、聖書が国民の愛読書になることです！