創世記31章 ヤコブの独立
1.ヤコブの置かれた環境の変化(31:1-16)
ヤコブは、ラバンに20年使えました。それは、ヤコブにとって不本意な人生でした。ヤコブは、幾度も報酬を変えられたのです(7節)。当初ラバンには、後継ぎ息子もいなかったので、娘たちが相続者とされていたようです。しかし、彼女たちの相続財産も、どうやら取り上げられてしまっていたようです(14節)。また、娘たちは言いました。「彼は私たちを売り、しかもその代金を食いつぶした」(15節)と。ヤコブは、二人の妻のために、ラバンに14年仕えましたが、それは、妻のためというよりは、まさにラバンのためで、ラバンの富を積み重ねるために、安く使われてきたのです。娘たちは、父のそうしたずるい心を知っていたというわけです。ヤコブと妻たちが話し合い、そこに奇妙な一致が生まれました。それまで、女の幸せをかけて相争っていたラケルとレアも、休戦、自分たちが置かれた事態の変化に、これからどうすべきか、ヤコブと膝を交えて語り合っているのです。そして決断がなされました。故郷へ帰ろう、と。
2.ヤコブとラバンの別れ(31:17-55)
こうしてヤコブは立ち上がり、家族と共に、故郷を目指して旅立つのです。しかし、ラバンに何も話さず、彼は逃げるようにしてその地を後にしました。その事実を後で知ったラバンは、当然心穏やかならず、身内のものを引き連れて、ヤコブを追いかけていくのです。ヤコブがこの時、本当はどうすべきであったのか。逃げずにきっちり話し合って、出ていくという選択肢もあったはずです。しかし、そうしたところで、家を出ることがますます難しくなる、ここは黙って、立ち去った方がよい、と彼は判断したのです。ラバンには受け入れられないことでした。そこで神が、夢によってラバンのこうした感情に介入してくださることがなければ、追いついたラバンとヤコブの間の衝突は避けられませんでした。
ただ25節、ラバンは、事の善悪を論じないようにと神に警告されていながら、やはり、逃げるようにして出ていったヤコブの態度に我慢がならなかったことを口にしています。けれども、ラバンはそれ以上突っ込まず、家を出ていくことを咎めることもせず、ただ自分の財産の一部、つまりラバンにとってはまじないの道具であるテラフィムを返してくれればそれでよい、と決着をつけようとしました。テラフィムを盗んだのは、妻のラケルでしたが、心当たりのないヤコブは、その一言に触発されて、こちらも自分のこれまでのやるせない思いを思わず語ってしまうのです。興味深いことは、お互いに決定的な思いを語りながら、それで話がついてしまったことでしょう。ああだこうだと言い争いが深まらず、契約を交わして、物事を治めていくその状況は、まさに神に守られたものと言えます。こうして見ていくと、神が、ヤコブの尻拭いまでしてくださっている、と思わされるところです。ヤコブが、素のままで、物事の折り合いをうまくつけられない状況に、神が介入してくださって、神が物事を決着がつくようにしてくださった、ヤコブは何の努力もせずに、危うい橋を渡ることができた、ということです。ヤコブが刈りとらねばならないものを、神が代わって刈ってくださり、物事を先に進めているのです。
どうでしょうか。神は、人間に100%人生の責任を取らせるということはない、と考えることができるのではないでしょうか。実際、人間何か失敗をして、その責任をどこまで取れるのかと言えば、難しいものです。むしろ人間が負いきれない部分を理解し、神は、それなりに働いてくださる、というわけです。大事なことは、そのような神が、私たちの側におられること知ることでしょう。 私たちは、実際の所多くの失敗をしながら、多くの問題を引き起こしながら、何とか守られて生き延びていることがあるものです。それは、背後に、恵み深い、神が働いてくださっているからです。神は人の思いに働かれるお方です。人間的に考えたら恐れるしかない状況で、神が確かに働いてくださる、そしてみ業をなし、私たちの人生を守ってくださるのです。神を信頼し、人を恐れず正しいことをしてまいりたいものです。では今日もよき一日となるように祈ります。
<クイズコーナー>
最初に、昨日のクイズです。「30:14にある「麦の借り入れのころ」というのは、太陽暦では何月にあたるでしょうか?大麦、小麦、それぞれの時期について答えてください。」答えは大麦であるとすれば4-6月、小麦であるとすれば1か月遅れて5- 7月となります。では、今日の聖書クイズを一つ。王国時代、宗教改革の際に、ユダとエルサレムにあったテラフィムをすべて除き去った王様は、誰でしょうか?答えはまた明日。では、今日もよき一日となるように祈ります。
<天草さんのフォローアップ>
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私の願いは、聖書が国民の愛読書になることです!