3章 関係の聖さを求める
1.聖い夫婦関係(3:1-7)
1章からの大きな流れを見ると、まず、キリスト者がキリストの血によって聖い者とされたこと、だから聖い心で生きなさいと勧められていますね。そして、2章にその新しい自己認識をしっかり持つように、いくつかの具体的なイメージが語られています。生ける石、祭司、神の民などです。ただキリスト者は、一人で生き方精進をしているわけではありませんね。信仰者としていかに人間関係を生きるかも課題です。ですから、国家的な権力(2:13-17)や上司(2:18-25)とどう関係を築いていくか、そしてこの3章では最も身近な夫婦関係についてどうあるかを語っていますね。
特にここでは、難しい夫婦関係にペテロはコメントしています。信仰や価値観の違う夫、つまり神を恐れず、神に従わない夫とどう向かい合うか。ペテロは、髪や衣服を着飾る外面的なことに注意を払うのは止めなさい、と言います。せっかく、キリストの救いを受け入れ、新しい自己認識で生きることを学んだのだから、その確かな内面を見てもらいなさい。神を恐れる純粋な生き方を、自然な振舞いによって、感じてもらいなさいと言います。人は口で言わなくても、確かな変化は感じるものです。キリストのまことのいのちに生きていれば、あれ?どうした?と夫が妻に注目することはあるのです。夫が変わるのはそこからでしょ、というわけです。
他方夫も同じように、妻を自分よりも弱い器として理解し、妻に対する配慮を欠いてはいけない、とペテロは言います。世の夫は、仕事に忙しく、妻も子どもの事も忘れて外に出づっぱりということがあるものでしょう。大事なことは、妻と一緒に過ごす時間を持ち、妻の願い、目標、そして、思い煩い、喜び、悲しみを理解しながら生活することです。妻の心を感じながら、共に二人の関係を築き上げていく、というのも、妻は永遠のいのちを共に受け継ぐ、永遠のパートナーです。妻を大事にすれば、神との関係も保たれていく、ということですね。
2.敵対的な関係に対して(3:8-22)
8節以降は、敵対的な人々に、どうあるかが語られているところです。まず教会の中においては、同じ心になり、お互いに愛し合い、同情深く、謙遜であるべきこと、そして、敵対的な人物に対しては、悪を受けても祝福を返すべきだ、と言います(9-12節)。というのも、あなたが選ばれてキリスト者になったのは、そのためだからだと言います。ペテロは、10-12節で、詩編を引用(詩編34)、そのような人には、いのちと幸せがあると語ります。大切なのは、誰が見ても正しいと思うこと、善を行うことです。敵対者の脅かしに一々恐れたり、心を動揺させたりしないことです(14節)。すべての状況を支配しておられる主を覚えることです。そして、不当な苦しみを受けられながら、正しいことを成し遂げた、私たちの師キリストを覚えることです。
3章の後半でペテロが、旧約の人物ノアの例をあげるのは、ノアが置かれた時代の状況とペテロの読者たちのそれがよく似ていたと思われたからなのでしょう。ノアは邪悪な世界のただ中で、神の御前に正しい生き方をしていました。神はそのノアを選び、神の災いから免れるために箱舟を作るように命じられました。正しい人ノアは、神を信頼して、人々が嘲る中箱舟を造りあげるわけです。そして、神が予め語ったとおりに大洪水が起こり、ノアは助かりました。この時、キリストは、目に見えない形で、ノアと共におられ、ノアを通して、彼の周囲の敵対者たちに、神の言葉を宣言したというのです。19節、「捕らわれの霊」の解釈は、そのように理解するのがよいのでしょう。このようにペテロは、敵対者が起こされる苦難においては、目に見えない主との関係において従順であることが、何よりもの救いとなると語るのです。神を恐れることがあらゆる人間関係によい知恵と判断を与えることになるのですね。では今日もよき一日となるように祈ります。
<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「ペテロの兄弟の名前は何と言いましたか。」答えは、アンデレです(ヨハネ1:40)。ペテロは兄弟アンデレによってイエスのもとに連れて来られました。では、今日の聖書クイズを一つ。旧約の人物ノアの箱舟は、大洪水の後、どこに漂着したと言われているでしょうか?答えは、また明日。では今日もよき一日となるように祈ります。
<天草さんのフォローアップ>
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