38章 調度類の作成
1.祭壇、洗盤、庭(38:1-23)
37章に続いて、幕屋の調度類について作り上げた報告です。それはすべて、神の御命令どおりに作られたことを証言するものです。読み比べると多少表現の違いはありますが、まるで、判を押したかのように、忠実に作るべきものが作られたと報告されています。
それは信仰の歩みを象徴するようなものです。聖日を守りなさいと神に命じられる。判を押すかのように忠実に守る。そして守ったことを神に報告する。朝ごとにいけにえをささげよと神に命じられる。だから朝ごとに、神の御前に出て、聖書を読み、心をささげ、祈りをする。そしてこれを神に報告する。隣人を愛せよと聖書に語られているので、しばし、心遣いの遠のいている人を思い起こし、主にある心遣いをする。そして神に報告する。信仰の歩みというのは、そのように神が語っておられることを、忠実に守り行う地味なものです。しかし、そのような部分に意義を感じていたり、そのような部分が人の信仰を大きく成熟させると考えていたりする人は少ないものかもしれません。22節、「ベツァルエルは、主がモーセに命じられたことを、ことごとく行った。」とあります。まず朝ごとに神のみこころを探り、夕ごとに一日の働きを神に報告する、そんな歩みを重ねたいところではないでしょうか。
2.聖所設営のコスト(38:24-31)
24節からは奉献物に用いられた金の総量が記録されています。用いられた金の総量は、29タラントと730シェケル。1タラントは約34キログラムで、1シェケルは11.4グラムですから、合計約950キログラム、ほとんど1トン近い量になります。銀は、合計100タラント1775シェケル。約3400キログラム、約3.5トンです。大切なのは、これらが、ひとり当たり1ベカ、つまり聖所のシェケルの半シェケルであって、すべて20歳以上の登録された者たちから集められたという形で記録されている点です(26節)。誰かが大きく寄進したというわけではない、それは皆が平等に献げたもののトータルであるように書かれています。それによって幕屋が建ったと。
3.皆の力を結集する
銀の台座は100個作られ、それに用いられた銀は100タラント、つまり1タラントで1個の台座が作られる。1タラントでは用をなさないとしても、1タラント持っている者が100人集まったら、幕屋の備品として必要な100個の台座が作れる。しかし10タラント与えられている人が一人それを誇って献げてみても、幕屋に必要とする100個の台座は作れません。やはり、皆の協力のもとに、幕屋全体の必要を満たすことを考える必要があります。多く与えられた者も少なく与えられた者も、共に力を合わせて、神の召しに応じて、そのタラントを生かせば、教会は建てあがっていくというわけです。日本の宣教を大いに進ませるために必要とされるのは、より多くのタラントのある人を求め、担ぎ出すことではなく、少ないタラントの人と多くのタラントを持った人、皆の心が結集されて、祈りをもって建て上げられていくものなのです。
4.神の計画に従う
神のご計画に従って、共に力を合わせながら自分の持てるものを生かしていく。そのような意味ではもっともっと一人一人が教会の働きに関心を持つことです。聖書を読みながら、教会がどのようなものか、どのように成長するのか、そして自分は、その全体の中でどのような役割を果たすのか、そのために何から始めたらよいのか、そのようなことを考えながら、誠実に関わって行くことです。そして判を押したように、神に命じられたとおりにしました、と神に報告する一日を持つことでしょう。礼拝に集うことも、ただ出席する、自分の席を守るということ自体が神の必要を満たすということがあります。判を押したように礼拝に集う人がいること自体が、教会の士気を高め、牧師や他の信徒を励ますことがあるのです。大切なのは自分を何か大きな者であるかのように考えないことでしょう。神の小さなしもべとしてなすべきことをなしたいものです。では今日もよき一日となるように祈ります。
<クイズコーナー>
最初に、昨日のクイズです。契約の箱は、他にどのような名で呼ばれたでしょうか?次の内、間違っているものはどれでしょうか?①主の箱、②神の箱、③臨在の箱。答えは、③臨在の箱でした。「契約の箱」は、「主の箱」(ヨシュア3:13)、「神の箱」(1サムエル3:3)、「主の契約の箱」(申命10:8)、「神の契約の箱」(士師20:27)、「あかしの箱」(出エジプト30:6)とも呼ばれました。では、今日の聖書クイズを一つ。タラントは、通貨にも度量衡にも用いられた単位ですが、大きな単位であったのであまり日常的には使われなかったとされます。そこでタラントは聖書の中では何にたとえられているでしょうか?①雹、②石、③卵、答えはまた明日。では、今日もよき一日となるように祈ります。
<天草さんのフォローアップ>
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