ヘブル人への手紙13章

ヘブル人への手紙13章 キリストに倣う歩み
1.種々のキリストに倣うことへの勧め(13:1-7)
ヘブルの著者は最終章にて、具体的な勧めを書き連ねています。それは、神の裁きではなく、神の祝宴に向かっているキリスト者に語られるものです。
(1)兄弟愛を持ちなさい(1節)
(2)もてなしを忘れてはいけない(2節)
(3)人を自分と同じように思いやりなさい(3節)
(4)結婚を尊びなさい(4節)
(5)金銭を愛してはいけない(5節)
エリヤを養ったツァレファテの未亡人に与えられた主のことばは「かめの粉は尽きず、そのつぼの油はなくならない」でした。祈り一つで何千人という孤児を養ったというジョージ・ミュラーは、5節の「主は決してあなたを離れず、あなたを捨てない」ということばを愛誦したと言います。人でも、お金でもなく、神を信頼し、神に賭けて生きる、それが信仰者のあり様です。実際、神のみことばを指導している人々を思い出し、彼らの生活の結末をよく見るとよい。今は亡き指導者は、その信仰によって語っているではないか、彼らを見倣いなさい、と言います(7節)。
2.イエスに倣う歩み(13:8-25)
 それは具体的にどのようなことか。まず8節、いつまでも変わることのない、イエスに目を留めることでしょう。新しい教え、変化する様々な教えに惑わされないことです。むしろ、変わることのない主の十字架の恵みに、しっかり立って、その教えに養われ続けることです(9節)。特定の物を食べる食べない、そんな律法的な宗教からは身を引くことです。そのような教えからは何一つ益は得られません。大いなる利益を得る道は、イエスに倣う道以外にありません(12節)。著者は、明らかにレビ記に教えられた罪のきよめのささげ物の規定を取り上げて、イエスから得る利益について語っています。つまり、罪のきよめのささげ物は、脂肪とその他の部分に分け、火で焼き捨てることが特徴です(レビ記6:30)。その場合脂肪以外は、宿営の外で焼き捨てるのです(レビ記4:11,12,21)。それは、宿営の外、ゴルゴダの丘で十字架にかかって死んだイエスが、罪のきよめのための完全なささげ物であったことを示すものです。その信仰を持ってイエスを受け入れるなら、罪の聖めの利益を得ることに間違いはありません。ですから、イエスを受け入れて、イエスの足跡に積極的に倣っていくのなら、天の御国のゴールも約束されたものです。イエスに助けられながら、十字架のイエスに従い、イエスの恵みを証する歩みが大切なのです(15節)。
17節、教会の指導者を認め、喜んでその教えに従っていきましょう、と言います。今度は、既に天に召された指導者ではなく(7節)、今現に生きて働いている指導者に目を向けさせています。彼らに従うことは、あなたがたに益することだと言います(17節)。そして、牧師のために「なおいっそう」祈るように心がけようと言います(19節)。教会の務めは祈りです。教会に行くと、常に祈りがささげられている、それがわかる教会でありたいものです。実際のところ、個々人の霊的成長も、教会の成長も、神との関係によるものです。人間的に知識が伝達されてよいキリスト者が育つのであれば苦労しないことでしょう。ヘブルの著者が祈るように、21節、神が一人一人を整えてくださって、みこころにかなうことを行ってくださるのでなければ、今ある以上の人生を生きることはできないことでしょう。神が恵みによって私たちの人生を押し上げてくださるのでなければ、今日もそのように神に信頼し、祈って歩ませてまいりましょう。

<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「ヘブル人への手紙が、AD70年以前に書かれたと考えられている、主な理由は何でしょうか?」答えは、AD70年のエルサレムの神殿破壊に触れていないという理由です。新約聖書各書が書かれた年代を推定するのに、AD70年のエルサレム神殿破壊の出来事は、一つの判断材料となるものですね。では、今日の聖書クイズを一つ。ヘブル人への手紙は、大きく前半と後半に分かれ、前半は教理編、後半は実践編になっていますが、それは何章からでしょうか?答えは、また明日。では今日もよき一日となるように祈ります。

<天草さんのフォローアップ>
パスターまことの聖書通読一日一章をフォローし、さらに掘り下げにチャレンジしている、天草さんのサイトはこちら⇒「天草幸四郎」http://progress-to.jugem.jp/
私の願いは、聖書が国民の愛読書になることです!

“ヘブル人への手紙13章” への1件の返信

  1. 福井先生

    本日も有難うございます。

    22節をとても面白いと思いました。
    筆者はこの手紙を長いと自覚しており、でも、頑張って短くしたのだと弁解し、
    とにかく読んで欲しいという熱意を伝えている。
    筆者が見せてくれた、ちょっと可愛らしいお人柄。

    S.A.

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