創世記6章 ノアの箱舟、神の介入(刷新)
1.人間の堕落(6:1-7)
先の5章の長い期間を経て、人はいつの間にか地上に増え広がっていました。そして2節、神の子らは、人の娘たちが美しいのを見て、とあります。「神の子ら」「人の娘たち」何だろう、と思うところですね。所説があって、「神の子ら」を「天使」と解釈する説、カインの子らに対する「セツの子ら」と解釈する説などがあります。文字通りに読めば、「天使」とも読めますし、ティンデル聖書注解を書いたデレク・キドナーもそのように解説しています。けれども、デレクが解釈の根拠とする2ペテロ2:5-6にあるノアの時代のエピソードを考えると、滅ぼされた「不敬虔な人たち」に対応する「敬虔な人たち」と考える方がよいのではないか、と私は思うところがあります。つまり、使徒パウロがキリスト者を二種類に分けて「霊の人」、「肉の人」という呼び方をしていますが、そのような意味ではないか、と思うのです。神の子、敬虔な人と呼ばれるような人たちが、段々、不敬虔な女性たちの美しさに魅かれていくようになった、つまり人の堕落の傾向が一層深くなったことを語っている、というわけです。もはや、誰も彼もが、不敬虔な者、不信仰な者となっていった、だから、神の霊はもはや永久に留まらないという結果にもなったのでしょう(3節)。
2.義しい人ノア(6:8-22)
しかしそのような不敬虔な人に混じって、一人きらりと光る存在があった。世の光、希望というべきでしょうか、義しい人、神とともに歩んだ人、ノアによる人類存続のエピソードが語られるのです。ユダヤ人の伝承によると、ノアの祖父メトセラは、その父エノクの生涯にならって神の道を熱心に歩む者であった、とされます。ノアはこの祖父の影響を受けて育ったのかもしれません。もちろん、信仰は、個人の問題、家系の良しあしの問題ではありません。けれども「信仰によってノアはまだ見ていない事柄について御告げを受け」(ヘブル11:7)と語られているように、ノアもまた神に秘密を打ち明けられるほどに、神と親しく歩んだ人でした。そしてノアの義しさは、後に語られる箱舟を造ることに際立って表されたと言えます。
この箱舟の大きさは、当時の物差しの単位1キュビトを約45センチとして計算すると、長さ135メートル、幅23メートル、高さ13メートルの大きさです。三階建ての大きさで、J・C・ホイットクウムという学者によると、船の容積は約4万立方メートル、鉄道の貨車が522台入る広さであったと言います。実際にこのようなものを造ることができたのだろうか、と種々議論はありますが、不可能ではなかった、と理解されているようです。
ともあれ、こうした規模の箱舟の建造は趣味的に出来るものではありません。まさに全身全霊を、自分の全生涯を注いでこそできることでしょう。しかもそれは一日二日のことではなく、何年も何十年もかかったと思われますから、それだけ長い間、人々の奇異の目にさらされたはずです。彼は、何十年もの歳月をかけて、世の人々には奇妙に見える大きな箱舟を、地上に黙々と造り続けたのです。となれば、その行為は確かに神への従順を示す以外の何物でもなかったことでしょう。彼の義しさは、まず武骨に神の言葉に従う所に示されました。なおF・A・シェーファーは、ノアが箱舟を造りながら、神に立ち返るように人々に説教をした(2ペテロ2:5)可能性を指摘します。推測するのみですが、ノアは、まさに神と心一つになり、神の手足となって歩んだと言えるでしょう。
さてノアの物語は、単なる昔話ではありません。たちもまた信仰によって神の言葉に従うように語られています。毎週日曜日、人々が自分の楽しみのために時間を費やす時に、敢えて教会に集い主を礼拝をささげることは、しばしば奇妙に見えることかもしれません。それを何年も何十年も忠実に続けていく、それは、やはり大きなエネルギーを要することです。まして教会を町中に建てあげ、ここに主の平安、主の安息ありと地域の人々に声をかけ続けるなど、神に忠誠あればこそできることです。けれども、そのように神の言葉に従ったノアに対して主は「あなたと契約を結ぼう」(18節)と言われます。神はノアとのその家族を救うための契約を結ばれました。これも現代の人々への語りかけです。神を認め、信頼し、神のことばに従って歩む者に、神は必ず報われるのです。では今日もよき一日となるように祈ります。
<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「アダムの系図の中でただ一人、死を経験していない人は誰でしょうか?」答えは、エノクでした(創世記5:24)。では、今日の聖書クイズを一つ、聖書の物差しの単位である1キュビトは、何センチにあたるでしょうか?答えはまた明日。では、今日もよき一日となるように祈ります。
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