創世記5章

創世記5章 アダムの歴史の記録
1.アダムの系図(5:1-20)
「アダムの歴史の記録」とあります。アダムの系図のようですが、11章のセムの系図と同様に、切れの良い10代で綺麗にまとめられています。どうも、創世記は最初の1章からそうでしたが、文学的、技巧的に書かれています。つまり、これを人類の初めについて理解するための、科学的な文書として読むのは難しい、ということでしょう。昨日もお話しましたが、カインの妻の由来が省かれているように、おそらくこの系図にも省略があります。さらにどの人も驚異的な長寿。これも単純に実数として理解するようなものではありませんが、実際には、真面目に色々な解釈が施されてきました。たとえば名前は個人ではなく一族を表す。つまり年齢は家系の寿命を表わすとか、当時の一年は、今よりも短いものであったとか、人間の成長の速度は今とは違っていたとか、神秘数で書かれているとか、科学的な仮説とつじつまを合わせようとする議論がなされてきました。けれども、大切なのは、創世記も、一種文学的手法で書かれているのであって、黙示録のように大まかな要点を掴んで理解すべきものだ、ということです。
そこでこの系図で著者が言いたいことはと言えば、まずアダムと、後の主要登場人物ノアとのつながりを大雑把に示すことが一つ。そして、さらにアダムは930年、セツは912年、エノシュは905年と、いずれも人間としては羨ましいほど長く生きはしましたが、結局皆、死んでしまった、人間は皆、罪のみならず死に支配されている事実を示すことでした。
明日読む6章では、神は人の一生を120年と定めていますが、それは神の裁きの事実をより明確にするためのものでしょう。人は本来、永遠に長く生きる者として造られたのに、実にはかない一生になってしまった、と言いたいのでしょう。ともあれ、この章では、寿命が長かろうが短かろうが、人間は死ぬものである、と言いたいのです。伝道者の書には、「土のちりは元あったように地に帰り、霊はこれを与えた神に帰る」(12:6)とあるように、人間が裁かれた現実を詩的に語っているのです。
ただ、裁かれたとはいえ、そこには祝福があることも忘れてはならないのでしょう。人間が様々な弱さを抱えたままで長く生きるのは不幸そのものだからです。神が人間を裁いて、人間の一生に限界を設けてくださったことは、逆に、この罪深く、弱い肉体の牢獄に閉じ込められた魂を解放する救いでもあるのです。死は永遠の命に至る門である、と言われるように死もまた祝福です。大切なのは、死の門をくぐる前に、黄泉ではない、神の御国でのいのちを確実にすることです。
2.神とともに歩んだ人々(5:21-32)
さて5章後半、二つのことに注目させられます。一つは24節、エノクの生涯です。「エノクは神とともに歩んだ。神が彼を取られたので、彼はいなくなった」(24節)とあります。「神とともに歩んだ」は神と親しく生きたということです。私には、この箇所について、非常に印象に残る子ども向けのメッセージがあります。こんな話でした。エノクはいつも、神とよき時を過ごすことを求め、その日もいつもながらのように、神と楽しくお話をしながら散歩をしていました。あまり楽しくて、時が経つのも忘れていて、いつの間にか日も暮れ始めていました。すると神が「気づかぬうちに随分遠くまで来てしまったものだね、今日は私の家に泊まっていきなさい」と言われて、エノクは、そのまま天に住み着いてしまった、と言うのです。今日、神とよき時を過ごし、そのよき時を積み重ね、そのまま天に迎えられるなら、それこそ冥利に尽きるというものでしょう。神とともに歩む時に、人間の死は、通過点となります。それは、ターミナルではありません。私たちの肉体は死んだとしても、その魂は別の場所に移されるのです。今のいのちが、そのまま御国につながっていく生き方をしたいものです。
またもう一つは、28節、レメクの姿勢です。昨日読んだ4章にもレメクという名が出てきますが、別人です。このレメクは、先のレメクと違って、神の定めを素直に受け入れ、その限界の中で誠実に生きようとした人です。神が定められた命運に、どのような態度をとるか人様々です。人生をありのままに受け入れ、プラスに与えられたものを楽しみながら生きてく。それも、キリスト者の歩みの一側面です。では今日もよき一日となるように祈ります。

<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「アベルとカイン、羊の初子を神にささげたのはどちらでしょうか?」答えは、アベルでした(創世記4:4)。では、今日の聖書クイズを一つ、アダムの系図の中でただ一人、死を経験していない人は誰でしょうか?答えはまた明日。では、今日もよき一日となるように祈ります。

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