34章 神とモーセ
1．千代に及ぶ恵み（34:1-9）
再び神は、モーセに二枚の石の板を取り、十戒のことばを与えられました。神は、イスラエルの民に忍耐深く、また寛容です。これは今日の私たちに対しても同じです。悔い改めをし、神に立ち返る者を、神が見捨てられることはありません。何度でも、神はご自分に寄り縋ってくるものを拒むことはありません。神は、謙った者に再びチャンスを与えてくださるのです。人とは違って、哀れみ深く、慈しみ深い、神は愛であると言われるゆえんです。
ただし7節、ここで、神は「罰すべき者は罰して、父の咎を子に、三代、四代に報いる」と語っておられます。なんか矛盾している、と思われるでしょうか。しかし、後に、預言者のエゼキエルは、父の咎を子が受けることはないし、それが世代連鎖することはない、とはっきり語っています（エゼキエル書18章）。つまりここは、神の恵みが千代にまで及ぶと言っているのに対して、罰は三代、四代まで、という比較に注目すべきで、神の非類のない愛と恵みを語る誇張的表現となっているのです。確かに神は甘いお方ではなく、悪いことと正しいことの区別ははっきりされるし、悪を見過ごされるお方ではありません。ただたとえ裁きを下された人であれ、その人が悔い改めるなら、それにはるかに勝る祝福を注がれるお方だということなのです。神の御名は誉むべきかな、です。
2. 契約（34:10-28）
そして神は、10節、このような恵み深いことばを、口約束ではなく、契約にしようと言うのです。一体どこに、このような神がいるでしょうか。私たちは、商売繁盛、無病息災、学業成就を願って神社仏閣に赴き、わざわざお金を出して、籤を引いたり、お札を買ったりして、そこに淡い期待を抱くものです。それらは約束されたものではありません。けれども、聖書の神は、言ってみれば、神があなたに語ることは淡い期待ではないですよ。契約を交わし署名をする、そのようなものですよ、と言うのです。 だから、淡い期待を抱かせるだけの神、約束を交わすことのできない神、物言わぬ鋳物の神々を作ってはならないし、そのような神を拝んではいけませんよ、と言うのです。
そして、14節から26節は、大雑把に言えば、十戒の繰り返し、先に19章から23章で学んだ神の掟のおさらいです。これらを今日の私たちの状況にあてはめてまとめるなら、神との関係を大事にしなさいということです。神はイスラエルの民をエジプトから引き出した。ご自分のものとして選び出し、ともに歩もうと宣言されている。その神の思いは、14節「私はねたみの神である」という擬人的な言い方に凝縮されています。つまり、人間には愛する者を独占しようと妬む思いを持つことがあるものです。同じように、神も愛するものを理屈ぬきに独占的に愛するお方です。その言い方に悪い意味はなく、ただ神の愛は深いと言っているのです。そして約束をもって私たちを祝福しようと語る、このような神をこそ信ずべきなのです。
3．神との交わりの効果（34:29-35）
モーセは、神の山から降りてきました。顔の肌が光を放ったので、モーセは顔に覆いをかけたと言います。それは、あまりにも輝く肌の光をさえぎるためではありませんでした。パウロは新約聖書でこの出来事を取り上げ、その光がだんだん弱くなっていく、つまり権威失墜を避けるために隠したと語ります（2コリント3:13）。モーセの栄光の輝きは、一時的なものであったのです。ですからモーセは主と向かい合う時はいつでも、その覆いを取り除き、再び主の栄光を反映する者とされました。そこには比喩があります。つまり、私たちも、自分自身だけで光ることはできない、ということです。パウロは人間というのは「土の器」であるという言い方をしました。人がもし光る物を持っているとしたら、それは、土の器の中に、神の栄光の輝きを収めているからだ、と。だからこそ、私たちの心の中に、神をお迎えし、神と共に生きる、神の愛や聖さ、義しさをいつも見つめ、それを大切にしながら生きるということが求められるわけです。そうすれば、自然に、神の人としての光を放つことにもなるでしょう。いつでも言うことですが、神とよき時を過ごす、聖書を読みながら神との時間を楽しむ、これが、信仰者としての成長の秘訣でもあるのです。では、今日もよき一日となるように祈ります。
＜クイズコーナー＞
最初に、昨日のクイズです。「古代イスラエルでは男女を問わず飾り物をしていましたが、イスラエルの初代の王サウルはどんな飾り物をしていたでしょうか？①耳輪、②鼻輪、③腕輪」答えは、腕輪でした。古代イスラエルの人々が飾り物としたものは、耳輪（創世記35:4）、鼻輪（創世記24:30）、腕輪（民数31:50）、指輪、首飾り（出エジプト35:22）、足飾り（イザヤ3:18）等多様でした。では、今日の聖書クイズを一つ。アビブの月は、太陽暦の何月頃と考えればよいでしょうか？①1-2月、②3-4月、③9-10月、答えはまた明日。では、今日もよき一日となるように祈ります。
＜天草さんのフォローアップ＞
パスターまことの聖書通読一日一章をフォローし、さらに掘り下げにチャレンジしている、天草さんのサイトはこちら⇒「天草幸四郎」http://progress-to.jugem.jp/
私の願いは、聖書が国民の愛読書になることです！