創世記19章

●19章 ロト,滅びの町
1.滅ぼされた町ソドム(19:1-29)
 アブラハムの時代、死海の沿岸にソドム、ゴモラ、アデマ、ゼボイム、ゾアルの五つの都市がありました。ソドムはその中でも最大であったことから、死海は「ソドムの海」とも呼ばれました。ただしその位置はよくわかっていません。通説は、死海南部、エル・リサン半島の南方で、大きな地殻変動のために湖底に沈んだと考えられています。実際、その地の発掘調査の結果、BC2300-1900年頃に巡礼地のあったことがわかっています。ただし、「ヨルダンの低地」(創世記13:10)を死海北部に限定して、この説を否定する見解もあります。死海は南北約75Km、東西約18Km、面積は約1020平方Km、琵琶湖二つ分の大きさの湖です。海面下約400mで、世界で最も低い地点となっています。ヨルダン川から注がれる水量は一日約600万トン、その出口はなく、すべて死海に貯水されるのですが、気温が高いので蒸発し、水位はいつも一定です。一方湖水の塩分濃度は、普通の海の約8倍で、棲息する魚はいないとされています。
ロトがこの地で、アブラハムと別れて暮らすようになってから、既に20年以上が過ぎていました。そしてある日、ロトは、先の18章で、アブラハムの下を訪れた客人と出会い、自宅に迎え入れるのです。それを知ったソドムの人々が、ロトの家を取り囲み、悪意を持って旅人を呼び出します。ロトの流儀は、客人は何があっても守る、というものであったのでしょう。自分の娘を身代わりに対応しようとしました。もちろん、町の人々がそれを断ると予測したと思われます。しかし、先にアブラハムと神が語り合ったように、このソドムには正しい者が一人もいなかったのであり、神はソドムの町を滅ぼそうと決意されるのです。主の使いが、ロトにこの町から脱出するようにと命じます(12,13節)。ロトは迷いました。娘婿たちも「冗談のように思われた」とあり、動こうとしませんでした。すると主の使いたちは、ロトと妻と二人の娘の手を取って彼らを強引に町の外へと引っ張っていくのです(16節)。しかしそれは、全く神の哀れみによる救いでした。警告どおり主は、ソドムとゴモラの方、低地全体に硫黄の火を降らせ、これを滅ぼされたからです。
2.ロトの人生の結末(創世記19:30-38)
神とともに生きる人生の結果は直ぐには見えてこないものです。しかし、やがてその差は明らかとなっていきます。アブラハムとロトが別々に歩み始めたことは、別々の積み重ねが生じることを意味しました。一方は、神を恐れ、神と共に歩む人生を積み重ね、他方は、世と世のものを愛し、神に背を向けて歩んでいく人生を積み重ねました。その結末が何であるかをこのエピソードは教えていると言えるでしょう。ロトの最初は華々しいものでしたが、その結末は、洞穴での生活という最悪の事態を迎えるのでした。
ロトは、その後、娘によってモアブ人とアモン人の先祖となりました(申命2:9)。ロトの家族に起こった近親姦は、理解しにくいことですが、転落したロトの家族が生き延びるために選択された方法でした。しかしその道義に反した行動に、ロトの子孫はいつまでも巻き込まれていたようでした。後に彼らは、イスラエルの歴史上最悪の性の誘惑(民数記25章)、宗教的冒涜(レビ18:21)をもたらすようになるのです。
ただ、神はそのような落伍者と烙印を押されるような者たち、さらには、理解し難い文化を共有する者たちを、見捨てることも、お忘れになることもないのです(29節)。神はあわれみ深いお方であり、罪人の友というのはこういうことでしょう。
後に、このモアブ人の子孫、ルツを通してダビデが生まれ、アモン人の女ナアマがソロモンの妻となってレハブアムを産みやがてメシアを迎えることになります。大切なのは、どのような生まれ、どのような精神文化の出身であろうとも、その不名誉な人生から抜け出られるかどうかは、ルツに見るように、選択次第だということです。モアブ人の精神風土に生きたルツは言いました。「あなたの民は私の民、あなたの神は私の神」(ルツ1:16)と、そして神を呼び求め、神に従う人生を彼女は新しく選択したのです。神を呼び求めるところに、神のあわれみがあり、神の助けがあり、滅びの悪循環から断ち切られることも起こるのです。神はご自身を呼び求める者を滅びの洞穴から、まさに滅びの悪循環の中から救い出されることを覚えたいものです。では今日もよき一日となるように祈ります。

<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「マムレは、地理的にエルサレムの南側、北側、どちらにあるでしょうか?」答えは、南側でした。では、今日の聖書クイズを一つ。死海は、旧約聖書では、他にどのような名前で呼ばれているでしょうか?間違っているものを一つあげなさい。①アラバの海、②キネレテの海、③東の海、どれでしょうか。答えはまた明日。では、今日もよき一日となるように祈ります。

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