民数記4章

<要約>
皆さんおはようございます。今日も、主の恵みに支えられた豊かな一日であるように祈ります。4章は、レビ人の二回目の人口調査とその職務が記されています。注目すべきはこれまでの最初の4章において、約束の地カナンの占領という共通の目標を達成するために、イスラエルの男子(軍事)と祭司、レビ人(礼拝奉仕)の役割や秩序が設けられていることでしょう。私たちも宣教の目標を共有しながら、それぞれの役割を誠実に果たしたいものです。今日も、皆さんの上に主の平安があるように

1.4章の流れ
 4章は、レビ人の二回目の人口調査で、それは奉仕者の数を調べるものである。また同時にそれぞれの役割が定められている。全体の流れは、ケハテ族の役割(4:1-20)、ゲルション族の役割(4:21-28)、メラリ族の役割(4:29-33)が述べられ、最後に、ケハテ、ゲルション、メラリ、それぞれの部族の人口調査の結果が記録される(4:34-49)。
2.レビ人の役割
レビ人は、幕屋の用具を運ぶ奉仕に就く者たちである。荷づくりの方法を読んでいくと、あかしの箱は、仕切りの幕、じゅごんの皮、真っ青の布の順に包まれる。それ以外の供えのパンの机、燭台、金の祭壇は青色の布、祭壇は紫の布を使い最後はじゅごんの皮で包まれる。じゅごんの皮で包まれたのは、雨風や直射熱から守るためであったのだろう。ともあれそうした包みの中であかしの箱だけは、常にどこにあるかが一目でわかるようになっていた。青は神の真の住まいである天の色を象徴し、神の臨在と神聖さを表す色と考えられていたので、その他の用具と、峻別されることは重要なことであったのだろう。
いずれにせよ、これらは最も聖なる用具であって、ケハテ族が触れてはならなかったものである。だから、種々の用具の荷造りや荷解きは、アロンとその子ら、つまり祭司たちが担った。ただし、ゲルション族とメラリ族は、祭司の監督の下、荷造りをしたり、荷解きをしたりしている。それは、聖所の中のものというよりは、周辺の用具の運搬奉仕であったからなのかもしれない。ケハテ族は、彼らが運ぶべきものをかつぎ棒やかつぎ台によって運んだが、ゲルション族とメラリ族は、それらを牛車によって運ぶように定められていた。
3.神が定められた秩序
ともあれ、ここではっきりしていることは、神がイスラエルの民の役割分担を明確にしていることである。レビ人の中の祭司は、会見の天幕の儀式、犠牲に関する、いわゆる霊的な部分を司るが、ケハテ、メラリ、ゲルションの諸族は、会見の天幕の建設、運搬、保全、また犠牲動物の飼育、世話、香料の調達など、物的な面を担当した。そして他の部族は、軍務を担当した。実に、イスラエル全体が円滑に統率されるため、神が定めた秩序である。
そして霊的な事に関して言えば、レビ人の間でも二つの役割が区分されている。今日の教会の奉仕で言えば、説教や祈りという教育的な役割と、それ以外の会堂の維持管理や諸集会の奉仕にあたる役割が区分されているようなものである。しかもその奉仕を担わされている者たちは、30歳以上、50歳以下の男性になる。まさに働き盛りの年代において、携わるべき神の奉仕がある。教会の外の仕事に生きがいを見つけ、精を出すことも一つの生き方ではあるが、神は、私たちに対しても、霊的な奉仕、教育ではなく教会の管理運営に関わる奉仕を備えてくださっていることを覚えることは重要である。
4.目的を共有し、秩序立って働きを進める
4章までを読みとおして、理解すべきことは、神が明らかに目標を共有させながら、霊的な奉仕について秩序と呼ぶべきものを設けておられることである。つまり彼らの目標は約束の地を占領することであった。そのために神は、軍隊とする部族を設け、さらに、彼らの力の源である主に関わる奉仕をさせるレビ人を定められた。それぞれは全体が円滑に機能するために不可欠な存在であり、それぞれの相互協力によって、イスラエルの民は約束の地に到達できたのである。
これは、新約聖書において、教会が使徒たちのもとに、執事を選び、教会の奉仕を進めさせたことと同じである。初代教会では、使徒たちの手に負えないほどに人数が増え、やもめの配給のことで教会が混乱を招いた際に(使徒6章)、執事を選出し、秩序をもたせてこの問題を乗り越えている。彼らは使徒たちの指揮の下、秩序だって奉仕を進め、主の大宣教命令に従ったのである。確かに、宣教という目標を定め、その目標を共有し遂行するための秩序が整えられなくては、教会の働きも円滑には進まないことだろう。牧師には、信徒一人一人が、主のみ言葉に向かいみ言葉で養われるように励まし、また祈りを奨励し、祈りつつ奉仕へと向かわせていく役割がある。執事には、牧師と地域宣教の目標を共有しながら、教会の管理、運営に心を配り、信徒が喜んで奉仕に迎えるように環境を整える役割がある。そのような牧師と執事の支えの中で、信徒一人一人も、地域宣教の目標を共有しながら、神に対する奉仕に力を注いで行くのである。主がそれぞれの責任と役割を明確にしてくださって、今日一日の奉仕を祝福してくださるように祈ろう。

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