ネヘミヤ記3章

3章 進む再建

<要約>

おはようございます。再建事業の進捗の様子が伝えられています。大切なのは、皆でその再建が手掛けられていくことであり、またまず自らの再建が進められていくことなのでしょう。人のことよりも自分自身をしっかりと立て直していく。それは、いつの時代にも通じる原則です。今日も、主の恵みを信頼し、支えられる豊かな一日であるように祈ります。主の平安

1.再建の流れ

エルサレムの城壁再建が始まった。まず羊の門の再建(1節)。これは、北東に位置し、神殿と神殿の供え物の市場がこの近くにあった。続いてメアのやぐら、ハナヌエルのやぐら、そして魚の門に進んだ(2-3節)。魚の門は現在のダマスコ門の位置にある。つまり最初は、北側の城壁を羊の門から西に向かって順に修復していったことになる。次にエシャナの門、新共同訳や口語訳では「古い門」となっているが、恐らく、北の城壁東右角で、エレミヤが預言をした「隅の門」(エレミヤ31:38)なのだろう。一度東側に戻った形であるが、続いて、ハルマフの子エダヤが自分の家に面する所(10節)、谷の門(13節)と続くあたり、そのまま北側から西に折れて南下し、西側の城壁が修復される。谷の門は、ネヘミヤがエルサレム城壁の修復のために、夜中に起きて探索を開始した場所である。ネヘミヤは、西側の中程にあった城壁の門からヒノムの谷に沿って南下し、南の城壁で折り返し、東側の城壁をケデロンの谷に沿って北上するのであるが、途中道が悪いので獣から降りて、ちょうど谷の門の反対側にあった泉の門のあたりまで、徒歩で歩いて引き返している(2:12-15)。このネヘミヤの探索の順に沿うかのように、北側→西側→南側→東側へと城壁の修復は進んだ。16節、ダビデの墓地、人口貯水池、勇士たちの家は今では所在不明である。恐らくケデロンの谷に沿った南側のダビデの旧都に位置したのかもしれない。最後に、城壁の修復は、水の門(26節)から馬の門(28節)、東の門(29節)、招集の門(31節)、羊の門(32節)と東側に位置する門とその周囲を北上して修復された。こうして、エルサレムの城壁はぐるりと一巡して再建されていった。

2.皆による再建

再建の事業には、大祭司(1節)、半区の長(12-19節)、金細工人(8節)、女性たち(12節)、そして外の人、つまり外国人たちも(2,5,7節)皆加わった。しかしそこには協力しようとしない人もいた(5節)。教会の建設も同じである。牧師も信徒も、才能のある者もない者も、女も子どもも、皆共同して当たらなくてはならない。しかし現実には、皆の苦労に手を貸そうとしない人がいるのは、驚くことではない。ただ、城壁の再建によってイスラエルの人々が神の栄光が表されることを願ったように、教会というのは、神の栄光が証されることを願い、自らの手を汚す人々によって再建されていくのである。北側から西側、南側から東側へとぐるりと一巡する働きには時間もかかるし、労力も多い。しかしそれらを黙々とやり遂げる人たちによって、教会は建てあげられていく。要するに教会が建つか建たないかは、その教会を担う人々の責任感と忍耐、そして協調性と実行力にかかっている。そして、教会が建てあげられるためには、まず彼らがそうしたように自分の家に面するところ、つまり自分自身の事柄から再建する必要がある。自分の信仰生活、教会生活がしゃんとせずに、教会の働きを進めても、それは見せかけで偽りに過ぎない。自らを再建し、教会において神の栄光を見ることを望みとし喜びとして、建てあげる者として、教会の働きに関わっていく者であろう。

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