人生💯倍の祝福😊 サムエル記第一4章 神が陣営に来た

4章 奪われた神の箱 だれがこの力ある神々の手から救い出してくれるか

1.イスラエルの敗北

ペリシテ人は、族長の時代からカナンの地に住み着いていた民族でしたが、イスラエル民族がエジプト脱出後、カナンに到着してからというもの、大挙して押し寄せ、ことに海岸平野部を中心に占有地とし五つの町を建設したとされています。こうしてペリシテは、士師時代からイスラエルの強敵となるわけです。どちらかといえばペリシテが優勢であったとされ、ダン部族が北部に移住せざるを得なかったのも(士師記18章)そのためであったとされています。

さてイスラエルとペリシテの間に戦争が起こり、ペリシテは、五大都市、エクロン、アシュドデ、アシュケロン、ガザ、ガテ、の最北の町エクロンからさらに34キロ北、シロの西方の山麓アフェクに陣を敷き、対するイスラエルは、同じシロの山麓、エベン・エゼルに陣を敷きました。この戦いは、イスラエル史上BC586年のバビロンによるエルサレム陥落に匹敵するもので、シロの中央聖所がペリシテによって危機にさらされたのです。

1節、ギリシャ語訳旧約聖書である七十人訳では、この個所にもう少し説明が補足されています。それによればペリシテがイスラエル攻撃のために軍を召集したので、やむなくイスラエルがこれを迎え撃つために戦闘態勢についたことがわかります。イスラエルは負け戦に引き釣り込まれ、散々虐められたというわけです。そこで彼らは言いました。「なぜ主は、きょう、ペリシテ人の前でわれわれを打ったのだろう。シロから主の契約の箱をわれわれのところに持って来よう。そうすれば、それがわれわれの真ん中に来て、われわれを敵の手から救おう。」(3節)。

たとえ劣勢であっても、主にあって戦うなら勝利できる、これがイスラエルの信仰でした。そしてこの敗北は、予めサムエルによって語られていた主の裁きであった、と聖書は語ります。つまり、信仰はよいとして、彼らは、サムエルによって語られた神のことばを心に留めていなかったのです。神と心を合わせて歩まない不幸がここにあります。神は信じればいつでも勝利を与えてくれるわけではない。神のみこころというものがあるのです。そのように日々神の御心を探らない人生は、自分勝手な判断を進め、神に助けを強要することになるのでしょう。彼らは自分たちが負けたのは、主の契約の箱が物理的に側になかったためであり、それを持ってきさえすれば、勝利できると妄信の暴挙に出るのです。キリスト教信仰は迷信、妄信の類ではありません。彼らの在り方に、神を信じると言うことがなんであるかをもう一度よく考えたいところです。

2.世俗的、迷信的信仰者どうしの戦い

ところでシロは、イスラエルがカナンにやってきてから会見の天幕が置かれた場所で、士師時代を通じてイスラエルの礼拝の中心地でした。その後エルサレムに神殿を建設したのはソロモンでしたが、いつの間にか、シロの天幕は恒久的な建造物となっていたようです。不思議なことに、旧約聖書はこの点について何も語っていません。その後の発掘調査によっても、シロが礼拝の場所であったと伺わせる調度類は見つかっていても、神殿跡そのものは見つかっていません。おそらくモンゴルで定住化し始めた遊牧民族の間でよく見られるゲル(移動式天幕)が、長期滞在化することによって、簡単な作りのまま補強されて、建造物化したのでしょう。

ともあれ、形骸化され、迷信化した信仰が彼らのいのち取りとなりました。ペリシテ人もまた、契約の箱がイスラエルの陣営に持ち込まれたことを知ると、イスラエル人以上に奮い立って戦って、イスラエルを打ち負かしてしまうのです。これを知った、エリ、そして彼の息子ピネハスの嫁もイスラエルにとって最大の危機が訪れたことを悟りました。そこには、もはや後がない、神の栄光が去り、回復され難いイスラエルがありました。

しかし、神がイスラエルを回復させていく物語はこれからです。栄光がイスラエルを去ったというその状況から神の祝福のご計画が語り始められるのです。大切なのは、望みなきその所で、真に悔い改めをし、神に立ち返り、神の恵みを待ち望み、神に近づくべきことなのでしょう。いみじくも「だれがこの力ある神々の手から、われわれを救い出してくれよう」とペリシテ人に語らせた、主との関係を回復することが何よりも大切なのです。今日も、主の御前に心を低くし、主の御声に耳を傾け、主のみこころにこころを合わせてあゆませていただきましょう。では今日もよき一日となるように祈ります。

 

<クイズコーナー>

最初に、昨日のクイズです。穀物のささげ物は、どのような意味を持つささげ物であったでしょうか?答えは、労働の実を献げる意味です。動物のいけにえがおもに遊牧生活を背景とするのに対し、穀物のささげ物は定住生活を反映します。農地を耕し、労働した実を感謝しつつ献げるものです。では、今日の聖書クイズを一つ、イスラエルがカナンを征服し定住してからはシロが中心となり会見の天幕が置かれましたが、カナン占領中は、どこに司令部が置かれたでしょうか?

答えはまた明日、では、今日もよき一日となるように祈ります。

 

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<天草さんのフォローアップ>

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