申命記13章

申命記13章 神から遠ざける誘惑に警戒せよ
<要約>
皆さんおはようございます。人は、目に見えない神よりも、やはり具体的な周囲の人々によって左右されやすいものでしょう。宗教的な指導者も様々で偽預言者というべき存在もあります。そして近親者も、さらに町の甘言巧みな人々も誘惑者となることがあります。そのような中で何が正しいかを識別し、神に対する信仰をしっかり貫く厳しさが必要とされるのです。今日も、主の恵みに支えられた豊かな一日であるように祈ります。主の平安
3)神から遠ざける誘惑に警戒せよ(13:1-18)
申命記の12章以降は、律法であるが、これが愛されるべき主のことばとして受け止められるには、神の愛をまず経験していること、神との親しい交わりの中に入れられていることだろう。福音の光の中で律法を読む、とはそういうことだ。イエスの十字架にある罪の赦しをもって、神とのしっかりとした愛の関係が出来ていればこそ、慕うべき教えとなるが、そうでなければ、なんともそれは窮屈で、ほとんど意味不明の戒めですらある。
そういう意味で、聖書通読が続いていく秘訣は、イエス・キリストにあって新生し、神とのよき交わりが回復されていることにある。そこができていればこそ喜びと感謝を持って、読み進んでいけるところがある。
さて12章に続いて、主を愛することがテーマとなり、主から遠ざける、偶像、自己流の礼拝に警戒することが述べられた後、ここ13章では、偽預言者、友人・知人、世俗の指導者による誘惑に注意すべきことを語っている。
(1)偽預言者による誘惑(1-5節)
そこで第一に、偽預言者に警戒するように語る。律法の最も大事な部分は、「あなた方の神、主を、心を尽くし、精神を尽くして愛せよ」であるが、いつでも神を愛するよりも、神に愛される、神に祝福される、神が奴隷のように私たちに奉仕してくれることを望む、主客転倒しているのが人間の現実でもある。こうした私たちの弱さにつけこみ、他の神々に誘い込む偽預言者は、誰でも殺されなければならない、とかなり手厳しい。実際にそのように偽預言者が殺された例は、旧約聖書では1列王18:40、エリヤがバアルの預言者を殺したものだけである。だからこれは誇張法的な言い方であって、実行されるべきというわけではないのかもしれない。
彼らの誘惑はしるしにある。多くの人々は、宗教にしるしを求めるものだろう。しかし、聖書信仰において大切なことは、しるしよりも神を愛することである。しるしを伴なう教えには、よくよく注意し、霊的に識別されなければならないことである。
(2)友人、知人による誘惑(6-11節)
続いて、神から私たちを遠ざけようとする誘惑は、近親者から来ることもある。家族が私たちの誘惑者となることがある。6節、「あなたの愛妻」は、原文では「あなたのふところの妻」「あなたの無二の親友」は、「あなたの魂のようなあなたの友人(あなた自身のように愛している友人)」(1サムエル18:3参照)である。
ユダヤ人は家族をどの民族よりも大切にした。しかし、そんな大切な家族からさえも、神から私たちの魂を引き離す誘惑は生じうるのである。イエスが、父、母、妻、子、兄弟、姉妹、自分のいのちを憎まなければ、ご自分の弟子にはなれない、と語ったのも、同じような警戒を示すべきことを語っている(ルカ14:26)。人は、それが明らかに敵のことばであれば警戒するだろうが、アダムがエバの語りかけに全く警戒心を抱かなかったように、近親者に語られた場合にはほとんど警戒しない。質の悪い誘惑というものがあるものだ。人情や愛情に富んだような美しい仮面をかぶって迫って来る誘惑がある。
(3)世俗的な者による誘惑(12-18節)
「よこしまな者たち」(13)とは、「悪人」という意味よりも「天の恵みに与ることのない人」つまり、神様を知ることも、恐れることもない人々を言い表すものである。この種の誘惑の場合、調べ、探り、よく問いただすことが求められている(13-14節)。つまり、それは、先の人情による誘惑ではなく、組織的な誘惑だからだ。今まで忠実に従ってきた神から目をそらさせていくもの、神との関係を遠ざけていくもの、それが社会の動きとなって迫って来ることがある。
こうして誘惑は、偽預言者(3-5節)、近親者(6-11節)、町の者たち(12-18節)から生じる。しかし、どのような関係であれ、私たちを神から引き離し、心を尽くし、精神を尽くして主を愛することを止めさせるようなことには警戒しなくてはならないし、それらを拒否しなくてはいけない。自身の信仰を守る厳しさをしっかりと持ちたいところだろう。「主に従って歩み、主を恐れ、主の命令を守り、御声に聞き従い、主に仕え、主にすがる」道を進ませていただくところに、私たちの祝福がある。

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