1歴代誌22章

22章 神の宮を建てるため

<要約>

おはようございます。ダビデの神殿建設の志とその準備が描かれています。神殿が主の栄光を現すものとして建てあげられるその精神は、教会についても言えることです。そして、そうであれば、やはりそれなりの神の業としてそれは実現されなくてはならないことでしょう。信仰と主にある兄弟姉妹の一致と協力が必要とされることは言うまでもありません。今日も、主の恵みを信頼し、支えられる豊かな一日であるように祈ります。主の平安

1.主の宮の性質

22章のキーワードは、「神の宮を建てるため」であり、全部で9回そのような表現が出て来る(2、5、6、7、8、10、11、19節)。また、ダビデに加えてソロモンが登場する。神殿建設は、ダビデとソロモンの共同事業として完成されていく。既に私たちは、神殿建設のための霊的な備えが必要であることを教えられた(21章)。ここでは、実際に必要な材料と労働力を準備する話となっていく。

まず彼らは働き人と資材を準備した(2-5節)。在留異国人は、カナンに住んでいる外国人のことである。また資材は、一部ダビデの戦利品であり(18:8、11)一部ソロモンによって特別に備えられたものである(4節:1列王5:6、8-10)。さらに、ダビデはソロモンを訓練した。彼は「まだ若く力もな」く、多くの訓練と教育を必要とした。神殿建設は個人的な趣味趣向で行う事業ではない。それは、「壮大なもので、全地で名声と栄誉を高めるものでなければならない」事業である(イザヤ2:1-4、ミカ4:1-3)。教会というのは、そういうものである。教会は、大きくなればよいというわけではないだろうが、それは、誰にも主の栄光を現すものでなければならないのである。

2.主が建てあげてくださる

さて神は、ご自身の約束の成就としてダビデのために王国を確立された(2サムエル7:1-15、1歴代誌17:1-15)。しかし神殿を建設することは、ダビデの使命ではなかった(8-10節)。それは、ダビデが罪を犯した、あるいは戦争により何等かの儀式的な汚れを被ったから、ダビデの使命とはされなかったのだ、と考える者もいるが、そうではない。むしろ神は、ダビデには戦乱の世を平定させ、ソロモンには、安息の世を統治させる、異なる役割を与えられたに過ぎない。約束の地はヨシュアによって占領され、戦士ダビデが敵を征服し尽くし神殿建設のための備えをした。そして、平和と安息に象徴され、神殿を建てるにちょうどよいソロモンの時代がやってきた(申命記12:10-11参照)という積み重ねがある。神殿が約束の地に建てられることは、永年の神の約束が成就したことを確認することである。だから、捕囚後の民は、この章を読みながら、今やようやく平和と安息の時、もう一度神の約束の再興の時が来た、と実感することができた、というわけである。神が永遠の昔から約束されたことが、今や実現するのである。そして、神はさらに助けを保証する。神が責任をもってその計画を最後まで遂行される、というわけだ。だから、ソロモンに期待されたことは、神の律法を守り行うことであり信仰の従順であった(13節)。

大切なのは、教会を建て上げることも神の約束であり、その成就であることだ。ならばそれがどんなに困難を覚えさせようとも、動揺せずに、淡々と神のみことばに従う生活を行っていくならば、建つべきものは建ちあがっていく、神が建ててくださることを信じなくてはならない。

そして14節、人は「困難な中にも」神が与えて用意できるようにしてくださることを、体験しなくてはならない。当時、バビロン捕囚からエルサレムに戻って来て、神殿再建のビジョンを託された人々は、それらの必要をどのように満たすか、大きな悩みであった。また様々な妨害によって建つべきものも建たないと意気消沈する思いであったことだろう。同じように、しばしば人は、神を信じることもせず、神が何もしてくださらない、と神の約束を疑心暗鬼に受け止めているだけである。しかし、神の約束の言葉に立って、信頼し続け、踏み出し、困難を通り抜けた者だけが、神の忠実さを確信できる。

3.一致協力しよう

最後に、ダビデは、ソロモンではなく、イスラエルのすべてのつかさたちに語り掛け、ソロモンを助けるように命じた(17-19節)。大切なのは、主の家のために、互いに協力しあうことである。何か大きな業をしようとしたら、一人でそれを行うことはできない。まして主の壮大な、主を証する宮を建てあげることは、牧師一人でも、志のある力ある信徒一人にも、何もできないことを理解し、互いに協力しあうことだろう。そうすれば多くのことを、成し遂げるだろう。互いに、祈りあい、愛し合い、支えあい、賜物を用いて、主の宮のために力を注ぐことが求められたのである。

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