テサロニケ人への手紙第一3章

1テサロニケ人への手紙3章 神の前での教会の成長
1.テモテ派遣の事情(3:1-6)
パウロは、テサロニケ教会設立後まもなく、その地を後にせざるをえませんでした。パウロに対する迫害は根強いものがあったのです。その迫害下で、まだよちよち歩きの教会はどうなるのか。パウロは心配に心配を重ね、我慢しきれなくなり、自分の代わりに、愛弟子であり教える力のあるテモテを遣わすことにするのです(1節)。
パウロは、何としても、テサロニケの人々に、踏ん張って欲しいと思っていたのです。そしてキリスト者に迫害など不思議なことではない、あって当たり前ぐらいに思って欲しいと語りたかったのです(ピリピ1:29、1ペテロ4:12)。ところが、そのようなパウロの心配は、全くの取りこし苦労というようなものでした。テモテの報告によれば、テサロニケの教会は、苦難に振り回されもせず、むしろ、信仰に固く立ち、健全にその歩みを進めていたと言います。また彼らはパウロを忘れずにいて、パウロと交わりを持ちたいとすら願っていました(6節)。
そもそも、教会を建て上げてくださるのは、神様です。牧師と言えども、必要に召し出されて、主の働きに仕えているに過ぎません。教会というのは、一人の牧師の力量によって建ったというようなものではないでしょう。もちろん、良い教会が建つのには、それなりの理由があることも確かです。神の召しに応えて、心を込めて母となり、父となり、牧会をする牧師が必要なことは間違いありません。そして牧師を、神が立ててくださったと認めて、語られる聖書の教えを受け入れ素直に成長する、良い地に例えられるような信徒も必要なのです。その両者があってこそ、主の教会を建て上げる聖霊の力は働く、と言えるでしょう。
2.パウロのさらなる願い(3:7-13)
 ともあれ7節、パウロは、テサロニケの教会の様子に、慰めと励ましを感じた、と素直に語っています。実際のところテサロニケの教会の人々は、キリスト教信仰を持ったが故に家から勘当されたり、仕事を辞めさせられたり、生活していくことが難しい状況の中に置かれていました。けれども彼らは信仰を捨てたりはしませんでした。そのように、神に支えられている彼らの姿を思うと、神に感謝の思いが湧き出るのは当然のことでしょう。しかし、パウロはそれ以上の事を語ります(9節)。つまり、神様ありがとう、という以上に、神に感謝をささげる、つまり神の前にぬかずく心が生じるというわけです。このようになさる神様、あなたは偉大です。私の心配を超えて働くというよりも、あなたはまさにこの天地万物の支配者であり、私たちの及ばぬところにまで、その御力を表してくださっているお方です、あなたを拝します、と、神に感謝のいけにえをささげ、礼拝する気持ちになっていることを語っているのです。
ともあれ、パウロは、ここで満足するわけではありません。さらにパウロはテサロニケの人々と信仰の不足を補いたいと願っています。テサロニケの信仰者たちの霊的成長に大いに感動しながら、これでよし、とはせずに、さらに彼らが、愛と聖さに成長するように、と祈るのです。面白いですね、パウロは、教会がさらに大きくなるようにと祈るのではないのです。愛がテサロニケ教会から溢れるほど豊かにされるように、また、神の御前でますます聖い者とされるように、と祈るのです。これは、教会の規模とは関係なく求められるものですね。いや、そもそも神の御前に教会の規模など関係がないことでしょう。一人一人の愛がどうであるか、聖がどうであるか、総じて教会の愛がどうであるか、聖がどうであるかではないでしょうか。神の御前にどうであるかが、問われるのですから、目に見えない部分を大事にした教会の成長でありたいものです。では今日も良い一日となるように祈ります。

<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズですが、「パウロは、伝道旅行をするにあたり、ユダヤ人の会堂のある町を中心に渡り歩いて、会堂で聖書を語ることが基本でしたが、パウロが人を回心に導いた次の町の中で、会堂のなかったところはどこでしょうか?答えは①ピリピ(16:13)でした。離散ユダヤ人は、男性が10人以上集まると会堂を設立、それまでは祈り場で集まり合ったと言います。テサロニケ(17:1)、コリント(18:7)には会堂がありました。では、今日の聖書クイズを一つ、パウロが書いた手紙の中で、復活や再臨、終末についての教理を明確に語ることを特徴としているものは、次のうちどれでしょうか?①テサロニケ人への手紙第一、第二、②ガラテヤ人への手紙、③テモテへの手紙第一、第二、答えはまた明日。では今日もよき一日となるように祈ります。

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