ペテロの手紙第二2章

2ペテロの手紙2章 偽教師に警戒せよ
1.偽教師の特徴(2:1-19)
自分の救いを完成させる、これはとても大切なことです。私たちは「救われた」というような言い方をしますが、まだ完全にされた者ではありません。救いの約束それ自体は確実なものであり、永遠に取り消されることのないものですが、まだその完成形は見ていないのです。いのちと敬虔(3節)を深め、神のご性質に与るように、霊的な高嶺を目指して進むことです(4節)。教会の指導的立場にあるなら、誰よりも率先してそのようにすべきなのでしょう。
しかし、旧約時代に偽預言者が現れたように、今の時代には、そのようなところを大事にしない偽教師が現れるのだ、とペテロは警告します。この2章は、よく読むと、ユダの手紙と非常によく似ている部分です。どちらかが先に書かれて、下敷きとされたのだという議論もありますが、よくわかっていません。一説に、コリントの教会から発した問題が、近隣の諸教会に大きな影響を与え、そこでペテロがこの第二の手紙を書いてユダにその一部を送り、ユダも、直ちに自分の関りのある諸教会に同様の手紙を書いた、と言われています。
ともあれ、ペテロは偽教師に警戒するように、とその特徴をあげていきます。まず彼らの特徴は、放縦と貪欲(2、10、14、19節)にありました。つまり、キリストによって与えられた罪の赦しとその恵みの機会を、放縦の機会としてしまうような者たちです。汚れた欲望のままに、心の赴くまま、好きなことをし放題だ、と言います。確かに、キリスト者は、善行を積み重ねることによって救われるわけではありませし、それによって救いが完成されるわけではありません。しかしだからと言って、心が救われていれば、行いはどうでもよいのだ、というわけではないでしょう。その人の行動を見れば、その人が何を大事にしているかがわかるものです。神を愛し、神を大事にしているなら、それは行いにも現れるはずなのです。
ですから、その偽教師の第二の特徴は、10節「栄光ある人たちをののしって恐れない」です。栄光ある人たちというのは、偽教師の反対、真実にキリスト者を指導する人たちのことでしょう。彼らは御使いたちに勝る者ではありませんが、御使いも彼らをそしったりしない。ちゃんと彼らの働きを認めています、と言います。やはり偽教師というのは、正しいことを行う人に反対するような人でしょう。そして、13節、宴会事、馬鹿げた騒ぎが好きな者たちです。17節は、特に、ユダの手紙とよく似た表現だと言われているところですね。さらに、18節、自分たちの肉欲と好色の世界に、真面目なキリスト者を引きずり込もうとする人たちです。
2.教会の聖さを守る(2:20-22)
やはり人間社会というものは複雑ですね。教会もそのような世の中の影響を知らずに受けていることがあるものです。世の中の世相が、教会にも色濃く反映されるというか。そして教会も世の中と全く変わらない、希望のない世界になることがあるものです。それは何が問題か、一重に指導者の問題、霊的光を投げかけるべき指導者が、偽教師の世界にうかつにも引きずり込まれて、かつて逃れたはずの世の汚れに逆戻りしてしまっているためでしょう。「犬は自分が吐いた物に戻る」「豚は身を洗って、また泥の中に転がる」そんな指導者、キリスト者にならないように、とペテロは語ります。しかしペテロがこのように語る時には、あるいはイエスを裏切った自分の過去を思い浮かべることがあったかもしれませんね。イエスを裏切る結果は突如起こったわけではなく、やはり少しずつ、偽教師のことばに影響され、イエスに従いきれない思いをどこかで持つようになり、やがて十字架の出来事があった時に、思わず脱線してしまったということがあるのかもしれません。
ともあれ、神は、このような指導者を決して放っておくことはない、と言います(4-10節)。神は正しいお方なのです。罪を犯した御使いたちも放置せず、また、旧約時代に罪を犯した者たちにも正しい裁きを行われました。神を恐れて、迷い安い罪人であることを弁え、しっかり自分の救いを完成する者でありたいものです。では今日もよき一日となりますように祈ります。

<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「ペテロの手紙第二とよく似ていて、どちらかが下敷きになったとか、影響を受けたと考えられている手紙は何でしょうか?」答えはユダの手紙でした。読み比べてみると確かによく似た表現、思想があります。今日の2章は特にそうでしたね。では、今日の聖書クイズを一つ。パウロは信仰の使徒、ヤコブは行いの使徒、ヨハネは愛の使徒とすると、ペテロは何の使徒と言うことができるでしょうか?答えは、また明日。では今日もよき一日となるように祈ります。

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