ヨハネの手紙第一2章

1ヨハネの手紙2章 キリストに心を向ける
1.永遠の救いに相応し歩みをする(2:1-17)
キリスト者となる、というのは、罪から解放されたキリストの聖さに与る人生を歩むということです。しかし、人間である以上罪を犯さない、ということはないでしょう。大切なのは、罪を犯しても、神は、それを赦し、不完全な私たちを見放さず、見捨てない、ということです。というのも、3節、キリストは、私たちの罪のための、いや全人類のための、完全なささげ物であったからだ、というわけです。私たちの救いは永遠に保障されている。だからこそ、それにふさわしい人生を歩み続けなさい、ということです。で、そのために、三つのことが勧められます。
第一に、神の言葉を守ることです(3-6節)。ヨハネが語り掛けているのは、キリスト者二世、三世、キリストがもはや過去の偉人となってしまった人々です。そこでヨハネは、キリストのことばの力について語るのです。まず神のことば、キリストの言葉を守ってごらんなさい、と。そうすれば、神がわかるし、神の愛も感じるようになるでしょう。大事なことは神とかかわりを持つことです。神の言葉である聖書を手にし、それを読み、その言葉に生きる、そのような関わりを通して、漠然とした神の存在が、はっきりくっきりしてくることでしょう、と言います。
そこで第二に、神の言葉を守る、その要点を言えば、それは神の愛の命令を守ることです(7-11節)。それは、新しい命令ではなく、古い命令、古くから語られてきたことです。そのような意味では確かに、旧約聖書の申命記律法の中心は、神の愛の戒めでした。神は昔も今も変わらず、人に、神の愛に生きることを願っておられるのです。人は、愛すべからずものを愛する傾向にあります。肉の欲、目の欲、暮らし向きの自慢と言いますが、人は、愛すべきものを間違えてしまうのです。本当に愛すべきものを愛する、神の愛に生きるというのはそういうことでしょう。
なお、12-14節、子どもたち、父たち、若者たち、幼子たち、とヨハネは、教会の中に幾種類かのグループがいるような言い方をします。恐らく、12節の子どもたちと14節の幼子たちは、教会全体を指すことばでしょう。その中にいわゆる霊的に成熟した父たち、そしてまだ発展途上の若者たちがいたと考えられます。父たちには、さらに神の深みを知る、若者たちには、霊的な勝利を経験するように励まされているわけです。
2.偽教師への警戒(2:18-29)
18節から後半、ヨハネは反キリストに注意するように語ります。使徒パウロは、反キリストを偽教師と呼びました。先の1章でも述べましたが、この時代教会にはグノーシス主義と呼ばれる異端的な教えが入り込んでいました。2章では、その人たちの問題点を明確に語っています。つまり彼らは、第一にイエスがキリストであることを否定しました(22節)、また、彼らは自分たちの考えを積極的に広めようとして、純粋にキリストを信じる者を惑わそうとしました(26節)。日本のキリスト教会の歴史の中にも、そのような問題はあった、と思います。キリストを信じる信仰とは別に、キリストの名を借りながらも実質キリストを否定する信仰もあります。キリスト教信仰の特徴は、何よりも、キリストに対する拘り、キリストの十字架に対する拘りです。キリストの十字架のもとに罪の赦しがあり、癒しがあり、救いがあるという拘りです。キリストが全てであり、キリストはまことの神であるという信仰告白です。それを欠いてキリスト教と語る宗教があるとすれば、それは、皆、異端的というべきでしょう。偽物ではない、本物と見分けるポイントは、キリストの十字架愛にあるのです。では、今日もよき一日となるように祈ります。

<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「ヨハネがイエスの弟子となる前の仕事は何であったでしょうか?」答えは①漁師でした。今日の聖書クイズを一つ。「イエスの働きにおいて特に重要な機会に同行が許された三人と言えば、ヨハネ、ペテロ、そして誰でしょうか?」答えは、また明日。では今日もよき一日となるように祈ります。

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“ヨハネの手紙第一2章” への1件の返信

  1. 福井先生

    本日も有難うございます。

    ヨハネの福音書でイエスさまが「わたしにとどまりなさい」とおっしゃっています。
    ヨハネは、イエスさまの言葉をこの手紙で形を変えて、繰り返しているのでしょうか。
    2章に繰り返し現れる「とどまる」という言葉に福音書と響き合うものを感じます。

    S.A.

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